「カンナバーロ監督の言葉で火が付いた!」浦和のエース・興梠慎三が明かした強豪撃破への意外な“呼び水”

2019年10月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

当の敵将は「彼はどこで聞いたのか…」と困惑

カンナバーロ監督(左)の発言が浦和の選手たちを発奮させたのか。試合後の興梠(右)のコメントがちょっとした波紋を広げている。(C)Getty Images

 浦和レッズのエースが圧巻のストロングヘッダーで試合を決めた。

 現地水曜日ナイターで開催されたアジア・チャンピオンズリーグ準決勝、広州恒大戦の第2レグだ。埼玉スタジアムでの第1レグで2-0と先勝していた浦和は、序盤から広州恒大による怒涛の攻撃に晒されるが、粘り強いディフェンスでじっと耐え凌ぐ。すると後半に入ってまもない50分、相手守備の一瞬の綻びを突いて貴重なアウェーゴールを挙げる。右サイドを打破した橋岡大樹が精緻なハイクロスを中央へ送ると、興梠慎三がジャンプ一番、豪快に頭で合わせてねじ込んだのだ。

 この一発が大きくモノを言い、浦和はアウェーでも1-0の快勝。2戦合計3-0で勝ち上がり、2年ぶりにファイナルの舞台へと駒を進めた。

 試合後の会見で、殊勲弾を決めた興梠は「3回目で初めて、このスタジアムで勝つことができました。1000人近くのサポーターが来てくれて、すごく後押ししてくれたので、そのひとたちのためにも、勝つこと、ファイナルに進むことをプレゼントしたかった。それができて良かった」と話し、笑顔を見せた。

 そして、突破を決めたポイントについて問われると、意外な"呼び水"があったことを明かした。

「(準々決勝で)広州恒大と鹿島アントラーズが戦って、広州恒大が勝ち進んだ。それで僕たちと対戦することになったのですが、(ファビオ・)カンナバーロ監督が鹿島に勝ったあと、『これで優勝できる』というような発言をしていた。ニュースで見て、その言葉に(浦和の)選手たちの心に火がついたんです。絶対に勝ちたいと。それが広州恒大の敗因になったと思います」

 
 中国の記者団は「そんな発言を我々は知らない」と興梠に問いただしたが、本人は「どこで見たかは覚えていません。でもカンナバーロ監督がそう言っているのはみんな知っていた。その言葉が、勝利に繋がったと思います」と返答した。

 当然、その後に登場したカンナバーロ監督にも質問が飛ぶ。しかし元イタリア代表のレジェンドは「彼(興梠)がどこで聞いたのかは分からないが、私がそんな敬意を欠いた発言をするわけがない」と真っ向から否定している。激闘の末に鹿島を下したあとに発したコメントが、うまく伝わらなかっただけなのか──。

 真相のほどは判然としないが、レッズ戦士たちはそれを発奮材料として、敵地で勝利を掴んだようである。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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