今季最後のタイトルを勝ち取るのは?――天皇杯決勝「G大阪 vs 山形」を5つのポイントから展望

2014年12月12日 週刊サッカーダイジェスト編集部

G大阪は数名の負傷者、山形は川西、キム・ボムヨンの欠場が懸念材料。

ともに1週間前に激闘を終えたばかり。いかに疲労を抜けるかも大きなポイントになりそうだ。(C) SOCCER DIGEST

 2014年シーズンのラストを締めくくる天皇杯決勝が、いよいよ12月13日(土)に日産スタジアムで14時にキックオフされる。今年は、国立競技場の改修工事と1月9日に開幕するアジアカップの影響で、天皇杯の伝統となっていた「元旦・国立」の決勝戦が実現不可能となり、例年とは異なるスタイルとなった。
 
 決勝に駒を進めたのは、ナビスコカップに続いてJ1リーグを制し、「三冠」を目指すG大阪と、千葉との昇格プレーオフ決勝の激闘をモノにし、4年ぶりのJ1復帰を決めた山形。いずれも勢いのあるチーム同士の対戦となった。
 
 この一戦を制し、今年最後のタイトルを勝ち取るのはどちらか。決戦に向けた両チームの最新情報とゲームのポイントを伝える。
 
G大阪レポート:大木 勇(週刊サッカーダイジェスト)
山形レポート:頼野亜唯子
 
――◆――◆――
 
POINT
決戦に向けたチームの状態、雰囲気は?
 
【G大阪】
 12月6日の最終節は最下位の徳島と引き分けるなど苦戦を強いられたが、ナビスコカップに続いてリーグ戦も制し、昇格即三冠の偉業達成に向けてチームの雰囲気は良好だ。もっとも徳島戦で右足首を痛めた右SBの米倉、右足太腿裏の違和感で前半終了後に退いた攻撃的MFの阿部、慢性的な足首痛を抱えるCB岩下の状態は心配の種。
 
 決勝戦の出場に向けて米倉と岩下は問題なさそうだが、阿部は故障箇所がナイーブな箇所だけに、ギリギリまで様子を見ながら判断する形か。状態次第ではベンチからのスタートもあり得る。
 
【山形】
 1週間前、昇格プレーオフ決勝・千葉戦の激闘を制して4年ぶりのJ1復帰を決めたばかり。シーズンの最も大きな目標を達成し、怖いのは燃え尽き症候群だが、オフ明けのトレーニングを見る限りその心配はなさそう。
 
「山形がどれだけ粘り強いチームかを多くの人に分かってもらえるチャンスでもあるので、いい試合を目指すのではなく、勝ちたい」という山崎雅人の言葉がチームの総意だ。来季の舞台となるJ1の覇者に、全力で挑む。
 
POINT
怪我人や出場停止などの懸念材料は?
 
【G大阪】
 阿部を筆頭に、米倉や岩下ら怪我を抱える選手のコンディションが最大の懸念材料。また、12月9日のJリーグアウォーズに全選手が参加し、祭典後にすぐ帰阪したが、身体的ダメージがないとは言えない。事実、遠藤は冗談っぽく「できれば大阪城ホールでやってほしかった(笑)」と口にしている。
 
【山形】
 馬力のある左ウイングバックのキム・ボムヨンが出場停止。リーグ終盤からスーパーサブとしてキレのある仕掛けを見せてきた伊東が先発出場となれば、キムとはまた違った攻撃の形ができる。
 
 痛いのはG大阪から期限付移籍中の川西が契約により出場できないこと。山形で脱皮した川西が古巣とどう戦うかを見たかったという意味でも残念だ。一方、負傷によりプレーオフ決勝の出場を回避したディエゴは「ベンチ以外ならどこでもやる」と鼻息が荒い。

J1最終節のドラマ――2014.12.06
 

次ページ山形がアグレッシブに行くのか、リトリートするのかに注目。

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