堂安律、VARによる退場者が影響して無念の途中交代…。難敵ユトレヒトに苦しめられたPSVは今季初黒星

2019年10月20日 サッカーダイジェストWeb編集部

VARで二人の退場者を出したPSVは為す術なく…

積極的な姿勢は見せた堂安だったが、チャンスにはほとんど絡めなかった。 (C) Getty Images

 現地時間10月19日、エールディビジ第10節で、2位のPSVが、敵地で8位のユトレヒトと対戦した。

 エールディビジの直近5試合で17得点と攻撃陣がノリに乗っているPSV。そのなかで日本代表MFの堂安律は、前節のVVV戦に続いて、2試合連続でスタメン出場。4-2-3-1の右サイドハーフで起用された。

 勝点3差で首位アヤックスを追うPSVだが、試合の序盤から積極果敢なフォアチェックを仕掛けてくるユトレヒトに苦戦。頼みの攻撃も相手の出足の鋭い守りにことごとく起点を潰され、決定機を創出できない時間が続いた。

 チームの攻撃がスムーズにいかないなかで、堂安は積極的に攻め上がる右SBのドゥムフリースの背後を突くユトレヒトの攻撃陣の対応に奔走。27分には自陣へと猛然とプレスバックして速攻の機会を食い止めるシーンもあった。

 その後、失点こそ許さなかったものの、相手の力強く、組織だった守備に手を焼いたPSVは、堂安やベルフバインといった攻撃陣が自分たちのペースを見失ったまま、スコアレスで前半を折り返した。

 迎えた後半、均衡を破ったのは、PSVを翻弄していたユトレヒトだった。

 49分、速攻から敵陣へボールを持ちこんだヴァン・デ・ストリークがミドルシュート。これが相手DFに当たってコースが変わってゴールへと吸い込まれた。

 後半開始早々に先手を取られたPSVは、直後のキックオフからギアを上げ、52分にはマヘルが強烈なヘディングシュートを放ったが、枠を捉えられず。その2分後には堂安を起点にしたプレーからサディレクがミドルシュートを打ったが、これもゴールからは大きく外れた。

 ユトレヒトを押し込んで、分厚い攻めを展開できるようになったPSV。そのなかで堂安も積極果敢にプレーし、61分にはエリア内でこぼれ球を押し込みにかかったが、惜しくも直前でボールをクリアされてしまった。

 一気にホームチームを攻め崩すかと思われたPSVだったが、焦りから自分たちのミスを生んでしまう。

 まずは、68分、レイトタックルで相手を倒したCBのフィールヘフェールがVAR判定の末に一発退場となると、さらに74分にも接触プレーで相手の足を踏んだヘンドリクスがVAR判定の末にレッドカードを突きつけられ、9人になってしまったのだ。

 それでも意地を見せたいPSVは、72分に堂安を下げてオランダ人FWのガクポ、78分にイハッターレンに代えて大型CFのミトログルとパワープレー気味の策を講じたが、数的優位にあることから精神的にも落ち着いたプレーを見せるユトレヒトの守備網は突き破れない。

 そしてPSVは、82分にユトレヒトのマヘルに無回転のミドルシュートを決められ、後半アディショナルタイム3分にはクライベルにトドメの3点目を突き刺されて、万事休す……。結局、試合は3-0でホームチームが勝利した。

 相手の術中にはまったうえ、二人の退場者を出して自分たちの首を絞めるようにして、今シーズンのエールディビジで初黒星を喫したPSVは、首位アヤックスとの勝点差が3に広がった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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