「もはや戦争」「ヒジやヒザで襲いかかってきた!」韓国代表団長が明かした北朝鮮の恐るべき“洗礼”

2019年10月18日 サッカーダイジェストWeb編集部

試合のDVDは入手も映像が劣悪なため…

激しい肉弾戦が繰り広げられた南北決戦。前G大阪のファン・ウィジョ(白)も苦悶の表情を浮かべる。(C)Getty Images

 謎に包まれていた南北決戦の全容が、いよいよ明らかになった。

 現地10月15日、北朝鮮の首都ピョンヤンで行なわれたカタール・ワールドカップ・アジア2次予選。北朝鮮代表と韓国代表による南北対決がピョンヤンで開催されたのは、実に29年ぶりの出来事だ。ゲームはスコアレスドローの痛み分けに終わったが、ピッチ内外でトラブルが続出する異例づくしの一戦となった。

 まず、ピョンヤンでの開催が正式に決まったのは2週間前のこと。韓国側は選手・スタッフ団以外の渡航が認められず、ファンやサポーター、さらには報道陣らの入国はいっさい許されなかった。チームは現地入りしてからも携帯電話や通信機器の使用が制限され、ほぼ自由を奪われた軟禁状態だったという。

 映像が残されていないため、ゲームの内容がなかなか伝わってこなかったが、帰国した韓国代表のチェ・ヨンイル団長が会見に応じ、その詳細を赤裸々に語った。全国紙『スポーツソウル』が伝えている。

「まるで戦争をしているかのようだった。相手の選手たちは絶対に負けたくないと、鋭い目つきをしていたし、常に荒々しく振る舞っていたからね。ヒジや手を使ってくるのは当たり前で、空中戦ではヒザまで使って襲いかかってきた。選手たちが怪我なく終えられただけでも御の字で、よくあのアウェーの地で勝点1を獲得できたと思うほどだ」

 
 さらに団長をはじめとしたチームは、"無観客試合"についてなにも知らされなかったという。

「あれには本当に驚いた。キックオフの1時間半前にスタジアムに到着して、すぐに5万人の観衆が押し寄せてくるのだろうと思っていたら、いつまで経っても会場の門が開かれない。選手たちもパウロ・ベント監督も面を食らっていたね。どうして観客がいないんだと問い合わせると、担当者は『来たくなかったから来なかったんだろう』と濁すばかり。目も合わせてくれなかったよ」

 事前の約束通り、試合の模様を収めたDVDは渡されたという。ただ、木曜日に録画放送を予定していた公共放送『KBS』はすぐさま放送の取りやめを発表した。映像の質が劣悪なうえ、その使用権限自体が確認できなかったためだとされている。

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