【セルジオ越後】「日本対モンゴル」みたいなセンスのない予選方式がアジアを弱小エリアにしている

2019年10月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

日本にとってはラクな試合だったけど、いろんな意味でマイナスしかなかった

日本はモンゴルに内容面でも大きな差を見せつけて大勝。アジア2次予選2連勝とした。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 ワールドカップ・アジア2次予選のモンゴル戦は6対0で勝ったけど、ゴールは少ないくらいだよ。しっかり決めるべきところを決めれば、12対0くらいで勝っていたはずだ。それくらい力の差はあったよね。

 それにしても、モンゴルというチームは見たことがなかったけど、想像以上に弱かった。個々を見てもスピードもないし、スキルもない。1対1は弱くて全然身体を張って守ろうとしない。展開力もまるでないし、シュートもまったく打てない。ランキング以上の差があったんじゃないかな。

 日本はこんな調子で2次予選を戦っていっても、まったくチームの強化にはならないと思うよ。ヨーロッパや南米の国々は、ランキング180位なんてチームとワールドカップ予選という真剣勝負の場で戦うことはほとんどない。ワールドカップ本大会までにこういった試合をいくつも戦わなければならい日本と、高いレベルでしのぎを削っている強豪国。レベルアップするにはどちらが相応しい環境なのかは一目瞭然だ。だから、アジアはいつまでたっても世界の蚊帳の外に置かれてしまうんだ。
 
 近年はタイやベトナム、マレーシアといった国々が自国リーグのレベルアップに力を入れて、それが代表の強化にもつながっているけど、本来はそういう国が下から這い上がってランキング上位の国と戦うのが筋というもの。それが健全なアジアのレベルアップにもつながるし、またアジアのチームが世界の強豪と対等に渡り合っていくためにもまっとうなやり方なんだ。

「日本対モンゴル」みたいな、こういうセンスのない予選のやり方がアジアをいつまでも弱小エリアに仕立ててしまっているし、そんな試合で故障してしまった冨安は本当にかわいそうだ。日本にとってはラクな試合だったけど、いろんな意味でマイナスしかなかったね。
 

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