【移籍市場超速報】「ドログバの従兄弟」と「ハジの息子」の気になる去就 etc.

2014年12月08日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

ハジの息子にとりわけ熱心なのがフィオレンティーナ。

フィオレンティーナが保有権を持つこのゾホレはドログバの従兄弟。1月からヴィチェンツァへのレンタルが濃厚だ。 (C) Getty Images

【フィオレンティーナ】ドログバの従兄弟ゾホレをヴィチェンツァにレンタル
 
 フィオレンティーナは、レンタル先のイェーテボリ(スウェーデン)で2014年シーズンを終えたデンマークU-21代表FWケネス・ゾホレを、1月の移籍マーケットでセリエBのヴィチェンツァにレンタルに出す方針だ。
 
 3年前にコペンハーゲン(デンマーク)から80万ユーロ(約1億1200万円)で獲得したゾホレは、1994年生まれの大型センターフォワード。デンマークで生まれ育ったが両親はコートジボワール人で、あのディディエ・ドログバ(チェルシー)の従兄弟にあたる。
 
【イアニス・ハジ】ゲオルゲ・ハジの息子にフィオレンティーナ、インテル、ローマがアプローチ
 
 ルーマニアの英雄ゲオルゲ・ハジの息子で、今シーズン、ヴィートルル・コンスタンチャでトップチームデビューを果たした16歳のイアニス・ハジに、イタリアの複数のクラブが興味を示している。とりわけ熱心なのがフィオレンティーナで、すでに獲得に向けた具体的な条件を提示済み。
 
 父と同じ攻撃的MFだが、プレースタイルは父よりもむしろジネディーヌ・ジダンに似ているという声もある。遠からずそのプレーをイタリアで目にできる可能性も十分か。
 
【アタランタ】ジラルディーノ獲得に向けて前進
 
 2015年シーズンからファビオ・カンナバーロが指揮を獲る広州恒大に所属する元イタリア代表FWアルベルト・ジラルディーノが、1月の移籍マーケットでアタランタに移籍する可能性が高まっている。
 
 本人はすでに移籍に同意しており、あとはクラブ間の交渉だけ。アタランタがレンタルを望んでいるのに対し、広州側は完全移籍を求めており、双方の歩み寄りが必要な状況だ。
 
【パルマ】ロシア=キプロスの石油資本に経営権売却が決定
 
 パルマのトンマーゾ・ギラルディ会長が、ロシアとキプロス合弁の石油資本にクラブの経営権を500万~600万ユーロ(約7億~8億4000万円)で譲渡することで、同資本の代理人を務めるイタリア人弁護士ファビオ・ジョルダーノと合意に達したことが明らかになった。
 
 今後10日間で、新オーナーの詳細、および新会長の名前が明らかにされる予定。新オーナーは発行済み全株式を500万~600万ユーロで買収するほか、クラブが抱える数千万ユーロの負債も引き受けることになる。
 
 セリエA14節パルマ対ラツィオの試合前、『SkySport』のインタビューに応えたゼネラルディレクターのピエトロ・レオナルディは、次のようにコメントしている。
「今朝ギラルディ会長から、以前から進めていた交渉が大きく進展したという報告を受けた。今後はジョルダーノ弁護士が執行副会長として新体制の詳細を詰めることになる」
 
【チェゼーナ】ビーゾリ監督が解任の危機
 
 14節のアタランタ戦で2点を先制しながら逆転負けを喫し、降格圏の19位に留まったチェゼーナのピエルパオロ・ビーゾリ監督が解任の危機に瀕している。
 
 試合後の会見でビーゾリは「クラブからは何も言われていないが、彼らが何らかの決断を下すだろう。たとえ解任されることになっても胸を張って去るつもりだ。できる限りのことはしてきたし、これ以上を求められても不可能だ。自分の仕事には満足している」とコメントしている。
 
 クラブは一晩考えた上で月曜日に最終的な決断を下すことになりそう。解任の場合、後任にはダビデ・バッラルディーニの名前が第一候補として挙がっている。
 
【翻訳】
片野道郎
 
翻訳者からのごあいさつ
 イタリアのスポーツ専門局『SkySport』を舞台に活躍するジャンルカ・ディ・マルツィオは、移籍専門記者という新たなジャンルを独力で切り開いた草分けにして、他をまったく寄せ付けないトップランナーです。
 
 イタリア国内ではすでに数年前から超メジャーな存在でしたが、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラ監督のバイエルン入りという大スクープをものにして、一躍ヨーロッパ中でその名を知られるようになりました。その後も、ウィリアン(当時シャフタール・ドネツク)がトッテナムからチェルシーに寝返った顛末など、イタリアにいながらワールドワイドな移籍情報をいくつもスクープしています。
 
 セリエAから下部リーグまで各クラブの会長やスポーツディレクターはもちろん、代理人からスカウトまで膨大な関係者と緊密なネットワークを持ち(iPhoneのアドレス帳には3000人以上のコンタクトが入っています)、他の記者には絶対入手できないディープな情報をキャッチ。素晴らしいのは、しっかり裏が取れるまでは決して情報を出さないところです。
 
 ご存じの通り、世界中を飛び交っている移籍関連ニュースの大半は、誰かの願望や思惑に基づくただの噂でありそれ以上ではありませんが、ディ・マルツィオが発信するニュースは、すべて彼自身のプライドがかかったガチネタであり、ハズレはほぼ皆無と言っても過言ではありません。移籍ネタに関しては、どんなにありそうな話でもディ・マルツィオが書くまでは嘘か本当かわからない、どんなにあり得ない話でもディ・マルツィオが書いたら本当、というのが、もはやこの業界の常識になっているくらいです。
 
 ツイッターのフォロワーは全世界で約30万人。日本では13年7月から『ワールドサッカーダイジェスト』誌に連載コラムを寄稿しています。この連載を休載した時には、日本のフォロワーからいくつも問い合わせのリプライが飛んで来たほどの人気です。
 
 そんなディ・マルツィオのオフィシャルサイト『gianlucadimarzio.com』から、移籍関連を中心とする最新ニュースを毎日厳選してお伝えするのがこのコーナー。サプライズはあっても「ガセ」はありませんから、安心してお読みください。(片野道郎)
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