「生き残れるか分からない」マドリー公式、守護神クルトワの「精神的不安による交代」を否定。母国記者は「重圧の大きさに…」

2019年10月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

交代の理由は急性胃腸炎だった?

CLブルージュ戦では前半2失点で交代。様々な憶測がとんだ。 (C)Getty Images

 レアル・マドリーは10月4日、クラブの公式サイトで、ティボー・クルトワが先日の試合でハーフタイムに交代したのは、急性胃腸炎が理由だと発表した。

 1日のチャンピオンズリーグ(CL)でクラブ・ブルージュと2-2で引き分けたマドリー。前半だけで2失点を喫し、ロッカールームに向かう際にブーイングを浴びせられていたクルトワは、後半からアルフォンス・アレオラと交代した。

 チームは後半に2点を返し、勝点1をあげたが、クルトワは激しい批判にさらされた。その中で、一部のメディアは、クルトワが交代したのは精神的な不安に襲われたとの診断が理由と報じている。

 だが、クラブは公式声明でこの報道を否定。急性胃腸炎だったことを明かしたうえで、現在は良いかたちで治療に対応していると発表した。
 
 とはいえ、今季のクルトワが苦しんでいることは確かだ。スペイン紙『Marca』は、公式戦の11失点中10失点がペナルティーエリア内からのシュートで決められていると報じた。

 同紙は、エリア内から打たれたシュート14本のうち、42.86%が相手のゴールにつながっていると指摘している。アトレティコ・マドリーの27.27%と比べるとかなり高い数字だ。

 ジネディーヌ・ジダン監督は4日の会見で、ブルージュ戦前半の責任はクルトワだけにあるわけではないとしたうえで、「ポジションが保証されている選手はいない」とも述べた。

『Marca』紙によると、クルトワは「マドリーのゴールキーパーでありたければ、こういうプレッシャーを受け入れなければ」と、"白い巨人"で戦うことの難しさに対応できなければいけないと話している。

 だが、母国ベルギーのサッカーに精通する英公共放送『BBC』のクリストフ・テロ記者は、「これほど多くのチャンスを許すオープンなチームでプレーするのは、初めての経験だ」とコメント。クルトワを擁護したうえで、重圧の大きさに耐えられるかは分からないと述べた。

「例えばスペインの『AS』紙は、クルトワ特集に4、5ページを割いている。彼が大きなプレッシャーにさらされているのが分かるだろう。わたしには、彼がこれで生き残れるかどうか分からない。嵐の真ん中に入ってしまったら、どうやって抜け出すというんだ?」

 CL3連覇に大きく貢献した名手ケイラー・ナバスをパリ・サンジェルマンに放出し、名実ともに「正守護神」となったはずのクルトワは、この苦境を乗り越えられるだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 

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