【大宮】「今でも信じたくないが…。またJ1で」生え抜きの金澤慎が早期復帰を誓う

2014年12月07日 週刊サッカーダイジェスト編集部

気持ちが整理できていないなかでも心に誓った思い。

残留の望みを賭けたC大阪戦で先制ゴールを決めた金澤。しかし、あと一歩及ばなかった。(C) SOCCERDIGEST

 C大阪とのゲームが終了しても、金澤慎は自分たちの立場を理解できていなかった。
 
 16位の大宮がJ1に残留するには、ふたつの条件があった。大宮がC大阪に勝利し、勝点で並ぶ清水が甲府に敗れることである。
 
 同時刻に開催されている清水対甲府の結果を、大宮の選手たちは知らされていなかった。目の前の試合に集中するためという、チームスタッフの判断だった。
 
 21分に先制点をあげた金澤は、勝利の立役者としてテレビのヒーローインタビューに呼ばれた。リポーターの女性に「清水はどうなったんですか?」と尋ね、引き分けたに終わったことを告げられると、31歳のベテランは声を詰まらせた。
 
「ちょっとまだ、実感が沸かないというか……今日はみんな、気持ちを込めて戦った。応援してくれたファン・サポーターの皆さんに、本当に申し訳ないです」
 
 2002年にクラブ初のユース出身選手として、金澤は大宮とプロ契約をかわした。加入3年目の04年にはJ1昇格に貢献し、その後は残留に力を注いできた。東京Vへ期限付き移籍した06年と07年を除く11シーズンを、金澤は大宮で過ごしている。チームへの思いは、誰よりも強いと言っていい。
 
 得点を挙げた瞬間は、2年前のリーグ33節が脳裏を過った。自らの先制弾などで磐田を下し、ホーム最終戦でJ1残留を決めた一戦である。
 
 後半開始直後にはムルジャが追加点をあげ、大宮はC大阪を2-0で下した。2年目の磐田戦と同じスコアだった。
「もしかしたら今回も残留できるのでは、という気持ちでプレーしていたんですが……。降格が決まったとすぐには理解できなかったですし、今でも信じたくないですけれど、いろいろなことが重なってこういう結果になったと思うので、しっかり現実を受け止めてどうやったら結果が出るのかを考えていきたい」
 
 気持ちが整理できないなかでも、心に誓う思いがある。
「またJ1でやりたい。1年で復帰できるように、チームのためにベストを尽くします」
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