大宮の“ミカド”が誇示した統率力。10戦ぶりスタメン復帰で勝利&自動昇格圏再浮上に貢献!

2019年10月02日 松澤明美

自らバックパスを追って攻撃のスイッチを入れ、先制点を呼び込む

10試合ぶりに先発に復帰した31節の町田戦で、三門は攻守両面で奮闘。勝利に大きく貢献した。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 大宮アルディージャの心臓部に背番号7が戻ってきてからは2勝2分と負けなしだ。31節のFC町田ゼルビア戦で10試合ぶりにスタメン復帰。試合で、練習で、その闘将らしさをいかんなく発揮している。


 本人は「引き分けもありますから」と謙遜するが、攻守で目をこらしてチームを支える32歳のベテランは頼もしい限り。圧巻の存在感を見せたのは34節のV・ファーレン長崎戦だ。ハードワークを厭わない三門雄大の真骨頂とも言える姿を披露した。16分、相手バックパスを追って迷うことなくボランチから最前線へ。仲間を手で招いて高い位置でのプレーを指示。攻撃のスイッチが入り、左サイドで酒井宣福がボールを奪い、奥抜侃志がパスを受けてカットインしてゴール。勝敗の鍵を握ると予想されていた先制点を見事に呼び込んだ。

「長崎はツーボランチが変わってからは結構つないでくるとは聞いていた。あそこもつないでくるんだろうなと思ったし、行ける時は行っちゃおうかと。(小島)幹敏ともそういう話をしていて、後ろに『着いてこいよ』と合図しながら行けた。そこで引っ掛けて侃志のゴールが生まれて、やっぱり行って良かったかなと思います。もちろんリスクもありますが、ある程度リスクを背負っていかないと取れない部分もある」
 
 長崎戦へ向けた練習中でも積極姿勢が目を引いた。ゲーム形式の練習でそこかしこに顔を出し、また、プレーが止まると通訳を介してフアンマ・デルガドやダブルボランチを組む小島らと意見交換。鉄は熱いうちに打てとばかりに、すぐさまコミュニケーションを取って修正を図った。高木琢也監督はリーグ終盤の戦いはベテランを中心とした団結力や責任感などの必要性を話しており、その期待に応えた形だ。

 21節のアルビレックス新潟戦で右大腿二頭筋腱損傷して実戦から遠ざかっている間も、背中で見せるように黙々とトレーニングに取り組んでいた。復帰戦の町田戦後には「ゲームができるのは幸せだなと思った。こうやってキツイ思いもできるのは幸せ」とプレーする喜びを噛み締めた。チームは自動昇格圏の2位に再浮上したものの、プレーオフ圏内の6位・水戸ホーリ−ホックまで勝点3差内。さらに、7位・ヴァンフォーレ甲府、8位・徳島ヴォルティス、9位・ファジアーノ岡山とは、それぞれ勝点6差で大混戦は続く。

 ここから先の熾烈な戦いにも三門のファイトは不可欠。ピッチ内の"ミカド"が抜群の統率力で仲間を鼓舞すれば、もっともっと幸せな瞬間が待ち受けているはずだ。

取材・文●松澤明美(フリーライター)
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