【湘南】曺貴裁監督の案件についてクラブカンファレンスを開催。サポーターの反応は…

2019年09月29日 佐藤香菜(サッカーダイジェスト)

会場からは拍手が沸き上がるシーンも

渦中の曺貴裁監督。写真:田中研治

 9月29日(日)、湘南ベルマーレはトッケイセキュリティ平塚総合体育館で、臨時の「ベルマーレ クラブカンファレンス」を開催した。

 この「クラブカンファレンス」は、より良いクラブにするためにクラブとサポーターの意見交換の場として2004年より定期的に(通常年に3回)開催しているもの。第47回目となる今回は、現在、湘南の曺貴裁監督が指導の自粛をしている案件について、サポーターへ現状の報告を行なうための場として臨時開催された。

 湘南の眞壁潔会長と水谷尚人社長が登壇し、案件の一連の経緯について改めて振り返り、JFA(日本サッカー協会)からの見解を説明、そしてサポーターからの質疑応答を行なった

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 JFAからは今後のクラブに対して、風通しを良く改善するためのスタッフ増員や、外部相談窓口設置の検討、ハラスメントの検証についてを提示されたという。

 そしてサポーターからの質疑応答タイムでは、「リークに関して、メディアの報道内容が途中で変わり、何が本当なのか分からない」という戸惑いの声や、「曺監督は指導者として復帰することはできるのか」といった質問が出た。

「何が本当なのか」については、まだ公に調査結果が報告されていないこともあり詳細は語られなかったが、「チームが壊れないように。選手間、スタッフ間のコミュニケーションを現在はより大切にしている」とのこと。

「曺監督は復帰できるのか」については、質問者が会場のサポーターたちへ曺監督の指揮官復帰を望むかを問い掛けたところ、会場からは賛同を示す多くの拍手が沸き上がった。これに対し眞壁会長は、そのためには「協会からの裁定結果(の内容)」「裁定を受けての曺監督自身の意思」「ベルマーレの役員や株主らの賛同」という3つのハードルをクリアしなければならないと回答した。

 また、今回の案件は湘南だけでなく、他チームの指導者にも起こりうること。今回の事象を(調査および裁定後)、他のチーム全体へもフィードバックしてほしいとの要望もあった。

 そしてキッズサポーターからは「曺監督は元気にしていますか?」という率直な質問も。クラブは互いの弁護士を通してのやり取りで、曺監督と直接の連絡はしていないというが、「元気にしていますよ。人として頑張らなければいけないと言っていました。(心配する声があったことを曺監督へ)伝えておきますね」という心温まる質疑応答もあった。

 湘南は曺監督が不在となってからの4戦で1勝も挙げられておらず、残留争いに巻き込まれる難しい状況に陥っている。だが、水谷社長は「サポーターと一緒に(前を向いて)歩いていきたい」と語り、カンファレンスは幕を下ろした。

取材・文●佐藤香菜(サッカーダイジェスト編集部)
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