公式戦13試合でわずか1勝…天皇杯敗退の浦和、なぜそれほどまでに勝てなくなったのか?

2019年09月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

チーム全体がどこかミスを恐れながらプレーしている

天皇杯4回戦、前回王者の浦和はHonda FCに敗れ、大会から姿を消すことに。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 浦和レッズが長いトンネルの出口を見つけられないでいる。9月25日に第99回天皇杯のラウンド16でJFLのHonda FCと対戦したが、内容的にも必然とすら感じられる0-2の敗戦を喫した。これで、公式戦の未勝利は9試合に伸びた。表現を変えれば、7月31日のリーグ16節延期分の鹿島アントラーズ戦を1-1で引き分けた試合をスタートに、公式戦13試合で1勝しかしていない。


 この間、大槻毅監督は一貫して3-4-2-1システムを採用している。それは、2012年から17年の途中まで指揮を執ったミハイロ・ペトロヴィッチ監督が採用してきたシステムに戻しているとも言える。その時代を過ごした選手が多く残ることから、理論的には正しいのかもしれない。しかしチームは、最低限のベースとも言える、困った時に立ち返る原点を失っている感がある。

 公式戦4試合ぶりの出場となった宇賀神友弥は、先制点を献上した場面に絡んでしまったが、この日はストッパーでの起用だった。本職とも言えるウイングバックは、このシステムのストロングポイントになり得るポジションだが「サイドチェンジをするのが非常に遅いと思うし、自分もワイドをやっている選手なので、もっとシンプルに使ってほしいと思うこともある。今はちょっとワイドが死んでしまっている」と、チームの試合を観察して感じたことも踏まえて問題点を話す。
 
 それに加え、「思い切りの良さが出なかったからこそ、こうした結果になっている」と話したように、チーム全体がどこかミスを恐れながらプレーしているのが現状だ。今の浦和は、メンタル面とサッカーそのもののどちらにも問題を抱えている。それでは、トンネルの出口が見えてこないのもやむを得ない。

 本来であれば、このシステムを採用する以上は攻撃的にチームのサイクルを回していかなくてはいけない。敵陣に相手を押し込み、セカンドボールを回収することで相手の攻撃機会を削って、結果的に守備が安定するというのが理想の姿なのだ。

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