「今季のPSVに彼の居場所はない」堂安律の前に立ちはだかる“史上最高”の壁。現地解説者の見解は厳しいものに…

2019年09月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

「彼にとって厳しいシーズンになるだろう」

先発はまだないが、リーグ戦3試合、EL1試合に途中出場している。 (C) Getty Images

 現地時間9月25日、オランダ1部エールディビジは、ヨーロッパリーグ開催のため延期となっていた第4節の3試合が行なわれる。

 そのうちのひとつが、PSVがホームにフローニンヘンを迎える一戦だ。今夏にフローニンヘンを離れた堂安律は、出場すれば早々に古巣との対決が実現することになる。

 地元紙『Eindhovens Dagblad』によれば、前日記者会見に登場したホームチームのマルク・ファン・ボンメル監督は堂安の起用について「よく見て決める」と慎重な姿勢を見せた。だが、「能力に問題があるということではない。ドウアンはトレーニングでも素晴らしい印象を与えている。彼がピッチに立っている姿がそのまま、彼をスカウトした理由だ」と説明している。

 対峙するアウェーチームのダニー・バイス監督も「アイントホーフェンは非常に調子がいい。過去のどのゲームよりも我々は守備に追われるだろう」とコメント。また"恩師"としての立場から、堂安について「彼は新しいクラブのかたちに慣れる必要があるけれども、きっと今シーズンは代表でも、クラブでも十分な時間が与えられると思う」と語ったという。

 一方で、「今季はPSVに堂安の居場所はない」という見方もある。現地メディア『VOETBAL PRIMEUR』によれば、現地局『NOS』のコメンテーターであるジェンセン・エルソーフ氏は「相当な競争を勝ち抜かなければ、ニューカマーにとっては厳しいシーズンになるだろう」という見解を述べた。

 堂安のライバルとなるのは、ブルーマ、コディ・ガクポ、モハメド・イハッターレン、ステフェン・ベルフバインら、絶好調のアタッカー陣だ。彼らの完成度はすさまじく、現地では「史上最高なのではないか」と絶賛されている。

 「単純にほかが良すぎる。ただ、今のパフォーマンスを続ければいずれ彼らに"高値"がつく。そうしてポジションが空いてから、次に出てくるのが堂安ということになるはずだ。チームにとっては彼が控えていることは悪いことじゃないし、クラブも長期的な視点を持っているだろう」(エルソーフ氏)

 ちなみに現地読者を対象としたアンケートでは「ドウアンはPSVで成功するか?」というアンケートに約5200人が参加し、約6割が「YES」、残りの4割が「NO」と回答した。

 フローニンヘンからPSVへのステップアップは、オランダ代表のレジェンド、アリエン・ロッベンと同じ道のりでもある。堂安は、PSVで定位置を確保し、"先輩"のようにヨーロッパで飛躍できるだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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