【三浦泰年の情熱地泰】ブラジル編|滞在5か月で約50試合を観戦!現地の人々との触れ合いで感じたこと

2019年09月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

日本では普及していないウーバーを使って試合観戦に

ブラジルの友人たちと試合観戦。この約半年間で、現地での行動範囲も大きく変わったようだ。

「そろそろ日本に帰らないと皆に忘れられてしまうかな?」
「まだ帰れないかな……」なんて考えていた。
 
 ブラジルに渡る前の話。
 僕の大好きな人に「ヤスさんはいつまでブラジルに行ってるの?」と聞かれ、「5年」と答えたら「5年も日本のサッカー界に戻って来なかったら皆、忘れちゃうよ!」と言われて「じゃあ3年間」と答えた。
 
 年の半分をこちらで過ごそうと思い立った僕は、日本のサッカーをブラジルで、世界のサッカーをブラジルで見てみようと考え、そしてブラジルのサッカーをブラジルでより深く知ってやろうと思い、ここにやって来た。
 
 5か月半が経ち、半年まであと少し、そろそろ帰ろうかと悩みながらも明日、何が起こるか分からない世界に飛び込んだ僕は、明日誰かにとって必要になるかもしれない。日本に住んでいたら、なかなか味わえない環境で日々を送っている。
 
 住まいをリベルダージという日本人街から、モエマという高級住宅街と呼ばれる場所に移し、2か月目を迎えているが、生活面でも変わったことがある。
 
 それは6月まで運動不足だった僕に良い環境が出来たのである。住まいの1階にジムとサウナとプールが付いているということだ。
 
 高校時代、1500メートルを4分16秒で走った自分が、今はトレッドミルを20分で1500メートル。バイクをダラダラ40分以上こいだ後にウォーキング、ジョギング……。時速5キロメートルでも負荷を感じるなか、鏡に映る自分に「なんのために走るんだ!?」と問いかけ、「監督に戻った時に選手にまたボールを蹴るため」と、この今のビジネスの世界に首を突っ込んでいる自分が、彼らに「勝る」ことができるのは「体力」だからと……と呟いている(笑)。
 
 夜、眠れない日もなく。朝、起きれない朝もない。目覚ましをかけなくても起きたい時間に起きることができ、寝坊をしないために目覚ましを設定しても必ず鳴る前に起きる。
 
 相変わらず深い眠りではないが、睡眠の中で熟睡している時間はあるのであろう。特に疲れが溜まることもなく快適な時間をブラジルのサンパウロで過ごしている。
 
 以前はスタッフが通訳しながら動いていたところも、自分のみで動くようにして、ちょっとした近くの街であればメトロを使って移動。試合観戦も日本では普及していないウーバー(Uber)を使ってひとりで見に行くようにもなった。
 
 生活の3分の1はサッカーの試合を生で観戦しているのだが、8月からは1か月で16試合を生観戦していた。5か月間で50試合弱の試合を観戦しているのである。
 
 不安を持ちながら2月に来伯。3、4月と2か月間、日本でブラジル行きの準備をし、5月にニューヨーク経由でサンパウロに入ったが、我慢できずに7月に2週間だけ日本へ一時帰国した。
 
 急な用事が出来た理由もあったが、温度差を感じ始め、確かめたい事もあり戻ってはみたが、あまり意味のない帰国だったと少し後悔した。
 

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