槙野智章が審判への名誉毀損行為で出場停止処分。当人は「場を和ますような形で言った」と侮辱の意図を否定

2019年09月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

問題の発言はVARに対する審判への苦言だった

審判員への侮辱的言動で1試合の出場停止処分が下された槙野。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 Jリーグは9月20日、浦和の槙野智章がルヴァンカップ準々決勝の第2戦で、審判員に侮辱的な言動をとった事例に対し、次戦1試合の出場停止処分を下したことを発表した。
 
 問題となったのは、ルヴァンカップ準々決勝から導入されたビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)に対しての、試合後の記者との囲み取材での発言だった。
 
 準決勝進出が懸かる鹿島との重要な一戦。2-2で迎えた試合終了間際の90分に、浦和のFW杉本健勇がペナルティエリア内で鹿島DFブエノに倒される。しかし笛は吹かれず、主審は映像を確認することもなくPKの判定とはならなかった。得点すれば延長戦に突入し、望みを繋ぐ局面だった。それだけに、なぜVARが使われなかったのかと槙野は記者との会話のなかで審判に苦言を呈したのだが、この時の発言が侮辱的だと受け取られてしまったのだ。
 
 処分理由についてJリーグは公式サイトで以下の説明をしている。
 
「2019年9月8日(日)2019JリーグYBCルヴァンカップ 準々決勝 第2戦(鹿島アントラーズ vs 浦和レッズ)の試合後、槙野智章選手が審判員に対する侮辱的な言動をとった疑いがある報道がされ、その内容について報告があった。
 
 かかる報告を受けて、規律委員会にて同選手にヒアリングを行うなど事実確認を行い、(公財)日本サッカー協会 競技および競技会における懲罰基準に照らして審議した結果、同選手の言動は「審判員に対する侮辱又は公然の名誉毀損行為」に相当すると判断。ただし、本来ならば上記基準に則り2試合の出場停止処分となるところ、同選手に対してのヒアリング内容より、情状酌量の余地があることから1試合の出場停止処分とする」
 
 また槙野は浦和の公式サイトで「このたびは審判員の方をはじめ、チームやファン・サポーターのみなさんにご心配とご迷惑をおかけし、申しわけありません」と謝罪した。
 
 続けて、問題の言動については「親しい記者のみなさんとの間での会話という認識で、審判員の方への侮辱の意図はなく、場を和ますような形で言ったことが、結果的に記事になってしまいましたが、必要ない発言だったと反省しております。今後はこうしたことがないように気をつけていきます」と説明している。
 
 最後に槙野は「次の天皇杯には出場できませんが、チームの力になれるよう全力を尽くします」と決意を表明した。
 
 1試合の出場停止処分を受けたことにより槙野は、25日に行なわれる天皇杯・ラウンド16のHonda FC戦の欠場が決まった。浦和は、守備の要を欠くことになったが、天皇杯2連覇へ向けて今こそ総合力が試される。
 
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 
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