パリSG戦で生まれたベイルの”幻のファインゴール”をリネカーが嘆く!「こんなものが素晴らしい得点を奪うのか」

2019年09月19日 サッカーダイジェストWeb編集部

無情の判定でゴールは無効に

散々な出来だったマドリーでひとり気を吐いたベイル。得意ではない右足でネットを揺らしたが……。 (C) Getty Images

 現地時間9月18日、チャンピオンズ・リーグ(CL)のグループステージの第1節が開催され、グループAでは、レアル・マドリーがパリ・サンジェルマンが本拠地パルク・デ・プランスに乗り込み、0-3の完敗を喫している。

 ネイマール、キリアン・エムバペ、エディンソン・カバーニといった主力を欠いたパリSGに敗れたマドリーには、現地メディアから「情けない」「インテンシティーが足らない」などの批判が集中。唯一の明るい材料とされたのが、FWガレス・ベイルの鮮やかなボレーシュートだ。

 36分、ダニエル・カルバハルが後方から放り込んだフィードを、パリSGのプレスネル・キンペンベが跳ね返す。このボールを拾ったベイルは、左足で軽快にリフティングしながら距離を詰めに来たDFをかわし、右足を振り抜く。大きく弧を描いたボールは、ゴール左隅に吸い込まれた。

 2点を先取されたマドリーにとって反撃の狼煙となるかと思われたが、今シーズンからCLにも導入されたVARによりリフティングの際にボールが腕に当たっていたと判定され、無効となった。

 だが、スペイン紙『SPORT』は、この試合におけるベイルを高く評価した。同紙はカリム・ベンゼマを「その場に不在」、エデン・アザールを「想定の動きしかできない」など他の選手を酷評しながらも、ウェールズ代表FWに関しては「この試合で唯一の"爆発力"」と称えた。

「マドリーの選手で唯一、精力的なパフォーマンスを見せたのがベイルだ。彼は前半に輝きを放ち、ハンドによって取り消されたものの、見事なシュートで一度はゴールネットを揺らした。何度かケイラー・ナバスへ強烈なシュートを放ったのも彼だ」

 また、CL同様に今季から国内リーグにVARを導入したイングランド・メディアも多数このシュートを取り上げ、疑問の声を上げている。「ベイルは、これまでなら決まったいたゴールをVARにより奪われた」と報じた英紙『The Sun』のようにだ。

「ベイルは決して意図的に腕を使ったわけではなく、"結果的"に当たっただけであるが、"腕に触れたものはすべてハンド"という新しいルールのもと、VARによって選手もファンも素晴らしい瞬間を奪われた。

 この試合の解説を担当していた元イングランド代表のガリー・リネカーは『こんなものが我々の素晴らしいゴールを奪うのか』と嘆いた。VARがない時代なら、ベイルはマドリーでの輝かしいキャリアを復活させるゴールを、皆で祝えたはずだった」

 加えて、『BT Sports』の解説者マーティン・キーオンは「このゴールを認めることの何が(フットボールとして)おかしいのだろう」とコメント。同席した元イングランド代表リオ・ファーディナンドは「今はVARによって認められないゴールが生まれ続け、試合の流れを変えていることに注目せざるを得ないね」と肩をすくめたという。

 決まっていれば、見事なゴールだっただけに、このご意見番たちに共感するファンは少なくないだろう。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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