【セレッソ大阪J2降格】南野拓実――突きつけられた現実、そして注目される去就

2014年11月30日 本田健介(サッカーダイジェスト)

途中交代の悔しさ、チーム降格のショックはあまりに大きい…。

個人としては成長を遂げ、存在感を高めた実りある今季だったが、一方でクラブ、代表の両方でとてつもなく大きな失望を味わうこととなってしまった。 (C) SOCCER DIGEST

 64分、交代を告げられピッチを後にする。負ければ降格が決まる大事な一戦でチームに貢献できず、最後までプレーさえもできなかった。
 
 前節の仙台戦と同様、2トップの一角として先発した南野。序盤はチームとともに自身も上々の出来を見せた。右サイドの杉本との好連係から起点となり、2トップの相棒、永井らのチャンスを演出していく。
 
 しかし、20分を過ぎた頃から、鹿島に徐々にペースを握られると、前線で孤立。中盤に下がってボールを受けに行くものの、良い形で前を向けず、得意のドリブルも出せなかった。
 
 そして攻撃の手をなくしたチームは33分、絶対に与えたくなかった先制点を鹿島に許してしまう。
 
 後半頭からカカウを投入し、4-4-2の左MFに回った南野は、何度かサイド突破を試みるも奏功せず。鹿島に2点目を奪われた5分後の64分に、「チームのためにしょうがなかった」と、4-3-3のシステム変更に伴い、キム・ソンジュンと交代でピッチを後にした。
 
 今季はチームが残留争いをするなか、10月にミャンマーで行なわれたU-19アジア選手権に参加。ベスト16で敗退し、世界への切符を逃すとすぐにチームに合流し、帰国3日後には29節・徳島戦に出場。チームの勝利に貢献した。
 
 しかし、その徳島戦を含め4試合でゴールという結果を残せず、「最後の部分で仕事をしてチームを助けたい」という目標は結局、達成できなかった。
 
 試合後、絞り出すように「チームのためになれず悔しい」と語った南野。元々、海外移籍などの噂が絶えなかっただけに、チームがJ2に降格したことで、ことさら来季の去就は不透明となった。
 
「今は何も考えられない」――、この先どのような決断をしていくのか、C大阪、そして日本が誇る逸材の未来には、否が応でも注目が集まる。
 
 
文:本田 健介(週刊サッカーダイジェスト)
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