久保建英が加入したマジョルカってどんなクラブ? 20年前には欧州の舞台で準優勝に輝く

2019年08月23日 サッカーダイジェストWeb編集部

NBAクラブのオーナーによる買収で好転

マジョルカへのレンタル移籍が決定した久保。右は元テニス選手のアンディー・コールバーグ会長(写真はクラブの公式ツイッターより)。

 現地時間8月22日、レアル・マドリーの久保建英がラ・リーガ1部のマジョルカにレンタル移籍することが発表された。ローン期間は2020年6月までの1年間となっている。

 今夏にFC東京からマドリーに移籍した18歳の日本代表FWは、カスティージャ(Bチーム)でのプレーが濃厚視されていた。だが、トップチームのプレシーズンキャンプに帯同し、テストマッチでも好プレーを披露。マジョルカのほかにも、バジャドリーなどからレンタルのオファーが舞い込み、1部でのプレーを選択することになった。

 では、久保がプレーすることになったマジョルカとはどんなクラブなのか?

 バレアレス諸島のひとつ、マジョルカ島最大の都市パルマ・デ・マジョルカに本拠地を置くマジョルカが創設されたのは1916年。100年以上の歴史を誇る伝統のあるクラブだが、初めて1部に昇格したのは1960‐61シーズンとだいぶ後になってからだ。

 その後も1部と2部を行ったり来たりし、70年代には2部B(実質3部)や3部(実質4部)に低迷。再び息を吹き返したのは80年代に入ってからだった。
 
 97‐98シーズンからは16シーズン連続でトップリーグに在籍。その間、リーグ戦では3位と5位が二度ずつあり、2002-03シーズンには、カメルーン代表FWサミュエル・エトーを牽引車にコパ・デル・レイで初優勝。欧州の舞台でも、智将エクトル・クーペルが指揮を執った98‐99シーズンに、決勝でラツィオに敗れたとはいえ、カップウィナーズ・カップで準優勝に輝くなど、この頃はまさに黄金期だった。

 だが、2000年代後半から深刻な財政難に陥り、10年はクラブが破産。マジョルカ島出身で叔父のミゲル・アンヘル・ナダルがクラブのレジェンドでもある、プロテニス選手のラファエル・ナダルなどが尽力し、なんとか1部に留まっていたが、13-14シーズンに2部に降格。16-17シーズンには2部Bに落ちるなど、どん底を味わった。

 しかし、16年1月にNBAのフェニックス・サンズのオーナーでもあるロバート・サーバー氏と、元サンズの選手でサッカーフリークとしても知られるスティーブ・ナッシュ氏にクラブが買収されると事態は好転。17年夏に就任したビセンテ・モレーノ監督の下で2部昇格を果たすと、続く18-19シーズンにセグンダで5位となり、昇格プレーオフを勝ち抜いて、「2年連続の昇格」で、7シーズンぶりに1部に帰ってきたのだった。
 

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