「彼は皆を驚かせる」「間違った選択だ」PSV移籍が囁かれる堂安律に現地番記者&OBから賛否両論の声

2019年08月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

「高すぎるだろう」「今以上の能力を開花させる」

本人もステップアップ移籍を希望している堂安。PSV側はフローニンヘンの設定した違約金に難色を示しているという噂も。 (C) Getty Images

 残り2週間となったヨーロッパの移籍マーケットで、注目を集めているのがオランダ・エールディビジのフローニンヘンに所属する堂安律だ。

 堂安の移籍話が浮上したのは先週のこと。PSVは、右サイドを主戦場とするFWイルビング・ロサーノがセリエA・ナポリへの移籍が濃厚になったことに伴い、戦力確保のために堂安の獲得を目指すと報じられた。

 そんななか、現地時間17日に行なわれた第3節AZ戦で、堂安は先発が告知されながらも、試合直前にベンチ外に。現地メディアは「移籍に伴う欠場か?」と騒ぎ立てたが、ダニー・バイス監督らは「頭痛を訴えたため」と、体調不良による欠場を明かした。堂安自身も試合後に、オランダ紙『De Telegraaf』の取材に応じ、コンディションの問題であることを認め、そして「ステップアップしたい。行くならPSVがいい」という移籍への意志を明らかにした。

 しかし、クラブ間での交渉は難航しているようだ。同紙によれば「PSVは堂安獲得のために1000万ユーロ(約12億5000万円)を準備していたが、フローニンヘンは堂安の売却に違約金1350万ユーロ(約16億8750万円)を提示した」とのことで、金額については交渉が必要だという。さらに、PSVは堂安ではなく、アルゼンチン出身のニコラス・ゴンサレス(シュツットガルト)にターゲットを変更するという報道も出ている。

 現地では様々な憶測が飛び交っているが、堂安のPSV加入についても、現地では賛否両論が巻き起こっているようだ。

 スポーツ専門チャンネル『Fox Sports』オランダ版の解説者を務め、PSVのOBであり元オランダ代表のアルノルト・ブルッヒンクは「PSVにとって堂安は間違ったチョイスだ」とコメント。「800~1000万ユーロだって、彼のスコアポイントからしたら高すぎる」と痛烈に批判した。

 また、地元局『RTV NOORD』でスポーツキャスターを務めているフローニンヘンOBのマーティン・ドレントは「PSVやそのサポーターは堂安に興味を持っているようだが、彼が成功するために十分な能力があるとは言い難い」と発言した。

 一方で、PSV加入を明るいニュースと捉えている人々もいる。同局でフローニンヘンの番記者を務めるステファン・ブリーカーは「堂安はよりレベルの高い環境に身を置くことで、今以上の能力を開花させる可能性を秘めていると思う。彼は時に皆を驚かせる人だ」と期待を寄せている。

 また、現在はスポーツジャーナリストを務めるフローニンヘンのOBのドウィグ・マデュロは地元TV局『rtlnieuws』の取材に応じ、「PSVがドウアンを獲得したい理由は理解できる」と発言した。

「(同じ右サイドを主戦場とする)ハキム・ジィエフ(アヤックス)のような、縦に仕掛けるプレーヤーは中盤のアクセントになる。PSVの理想形はハッキリしているじゃないか。左側にドニエル・マレン、10番にイブラヒム・アシュレイを置いて、右に堂安だ。堂安がドリブルで仕掛けることで、前線のスピードを活かしたアタックが実現する。彼にはその仕事ができるだろう」

 はたして、堂安の望むステップアップ移籍は成立するのだろうか。移籍市場は9月2日にクローズする。今後の動向に注目が集まりそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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