【移籍市場超速報】ナポリから触手のペリシッチ、ヴォルフスブルクは放出を拒否

2014年11月20日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

ローマの優先順位はむしろCB補強に。

ナポリが獲得を狙うペリシッチは、ヴォルフスブルクに放出の意思はないようだ。 (C) Getty Images

【ナポリ】ヴォルフスブルクはペリシッチ放出を拒否
 
 故障で長期離脱したロレンツォ・インシーニェの穴埋めにサイドアタッカー補強を画策中のナポリ。そのメインターゲットであるクロアチア代表イバン・ペリシッチ(ヴォルフスブルク)の獲得は、しかし極めて困難な雲行きだ。
 
 ヴォルフスブルクは、有償でのレンタルはもちろん、完全移籍の可能性も全面的に否定しており、ナポリだけでなく他のいかなるクラブに対しても、放出の意思はゼロ。契約は2017年まであと2年半残っており、延長の有無にかかわらず、当面は戦力として不可欠という姿勢だ。
 
【ローマ】冬の補強ポイントは左SBよりむしろCB
 
 ローマには左SBの補強が必要という声がマスコミレベルで高まっているが、ワルテル・サバティーニSDの考えは少し違うようだ。
 
 ホセ・ホレバスは現時点で現実的に望みうる最良の選択肢であり、ウルビー・エマヌエルソンもバックアップとしては貴重な存在。失敗という烙印を押されたアシュリー・コールにしても、遠からずイタリア語が身につけば戦術理解度が大幅に上がるはず――。
 
 事実、コールは家庭教師の下で毎日イタリア語の習得に励んでいる。もし1月からMLSへの移籍を考えているならば、こんな努力は必要ないはずだ。
 
 もちろん、現時点における左SB陣のパフォーマンスに満足しているわけではなく、もしチャンスがあれば、例えばアドリアーノ(バルセロナ)のような即戦力の獲得にやぶさかではないだろう。
 
 左SB以上に優先順位が高いのは、むしろCBだ。マブ・ヤンガ=エムビワの故障離脱もあって、シーズン後半を睨めばもう1枚戦力に厚みをつけておく必要があるというのがサバティーニの判断。ヴラド・キリケシュ(トッテナム)、エデル・アルバレス・バランタ(リーベル)がそのターゲットだ。
 
【翻訳】
片野道郎
 
翻訳者からのごあいさつ
 イタリアのスポーツ専門局『SkySport』を舞台に活躍するジャンルカ・ディ・マルツィオは、移籍専門記者という新たなジャンルを独力で切り開いた草分けにして、他をまったく寄せ付けないトップランナーです。
 
 イタリア国内ではすでに数年前から超メジャーな存在でしたが、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラ監督のバイエルン入りという大スクープをものにして、一躍ヨーロッパ中でその名を知られるようになりました。その後も、ウィリアン(当時シャフタール・ドネツク)がトッテナムからチェルシーに寝返った顛末など、イタリアにいながらワールドワイドな移籍情報をいくつもスクープしています。
 
 セリエAから下部リーグまで各クラブの会長やスポーツディレクターはもちろん、代理人からスカウトまで膨大な関係者と緊密なネットワークを持ち(iPhoneのアドレス帳には3000人以上のコンタクトが入っています)、他の記者には絶対入手できないディープな情報をキャッチ。素晴らしいのは、しっかり裏が取れるまでは決して情報を出さないところです。
 
 ご存じの通り、世界中を飛び交っている移籍関連ニュースの大半は、誰かの願望や思惑に基づくただの噂でありそれ以上ではありませんが、ディ・マルツィオが発信するニュースは、すべて彼自身のプライドがかかったガチネタであり、ハズレはほぼ皆無と言っても過言ではありません。移籍ネタに関しては、どんなにありそうな話でもディ・マルツィオが書くまでは嘘か本当かわからない、どんなにあり得ない話でもディ・マルツィオが書いたら本当、というのが、もはやこの業界の常識になっているくらいです。
 
 ツイッターのフォロワーは全世界で約30万人。日本では13年7月から『ワールドサッカーダイジェスト』誌に連載コラムを寄稿しています。この連載を休載した時には、日本のフォロワーからいくつも問い合わせのリプライが飛んで来たほどの人気です。
 
 そんなディ・マルツィオのオフィシャルサイト『gianlucadimarzio.com』から、移籍関連を中心とする最新ニュースを毎日厳選してお伝えするのがこのコーナー。サプライズはあっても「ガセ」はありませんから、安心してお読みください。(片野道郎)
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