104億円は妥当!? マンUが獲得したマグワイアはS・ラモスやファン・ダイクを上回るスタッツを残していた

2019年08月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

ワールドクラスにも見劣りしない能力

オレ・グンナー・スールシャール監督(左)と笑顔でサインをかわすマグワイア(右)。 (C) Getty Images

 現地時間8月5日、マンチェスター・ユナイテッドは、レスター・シティからイングランド代表DFのハリー・マグワイアを獲得したことを正式に発表した。

 その移籍金は公表こそされていないものの、英公共放送『BBC』は、8000万ポンド(約104億円)になったと伝えており、2017年1月にリバプールがサウサンプトンからオランダ代表CBフィルジル・ファン・ダイクを獲得する際に支払った7500万ポンド(約97億5000万円)を上回るDF史上最高額となった。

 現在26歳のマグワイアは、昨夏にロシアで開催されたワールドカップではイングランド代表の主力として活躍し、同国の7大会ぶりのベスト4進出に貢献するなど、着実に声価を高めてきた。

 とはいえ、3年前までは無名に近い存在だったこともあり、一部では8000万ポンドを支払ったユナイテッドの決断に懐疑的な声が上がっている。

『BBC』の敏腕記者フィル・マクリニー氏は、「高すぎる。売り手が上手くやったと言えるだろう」と自身のツイッターで綴り、獲得を争ったマンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督は、「契約を勝ち取ったユナイテッドに賛辞を贈るしかない。我々には払えなかった」と告白している。

 では、実際のところマグワイアに8000万ポンドの価値あるのか――。『BBC』は、データ集計会社『Opta』が算出したスタッツを紹介し、この移籍金が妥当かどうかのアンケートを実施している。

『BBC』はまず、ユナイテッドの主力CBであるヴィクトル・リンデロフ、クリス・スモーリング、フィル・ジョーンズ、エリック・バイリーの2018-19シーズンの1試合あたりの平均スタッツと比較。マグワイアはそのほとんどで4人を上回っている。

 空中戦勝利数こそトップのスモーリングの4.3回にわずかに劣る4.1回だったものの、デュエル勝利数(6.3回)、クリア数(5.3回)、パス成功数(61回)でトップの数字を記録しているのだ(いずれも1試合平均)。

 次に、ファン・ダイクをはじめ、セルヒオ・ラモス(レアル・マドリー)、ジェラール・ピケ(バルセロナ)、マッツ・フンメルス(当時はバイエルン)など9人のトップクラスのディフェンダーたちと、6つの項目についてスタッツを比較。マグワイアがプレミアリーグでプレーし始めた2016-17シーズン以降の3年で、公式戦6000分以上に出場した名CBたちと比べている。

 その統計によれば、マグワイアの数字は名手たちと比べてもまったく見劣りしておらず、タックル成功数(148回)とインターセプト数(148回)に関しては堂々のトップだった(数字は3シーズンの合計)。さらに空中戦の勝率も、トップのファン・ダイク(74%)に遜色ない71%で、S・ラモス(65%)やフンメルス(66%)をよりも高い数値を残している。

 もちろん、リーグやチームの事情もあり、一概に比較できるものではない。とはいえ、あくまでスタッツを見る限りは、マグワイアは一線級のDFと同等のレベルに達していると言えるだろう。もっとも、8000万ポンドの価値があるかどうかは、意見が分かれるところだろうが……。はたして『BBC』のアンケートの結果は――。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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