王者・川崎が今季初の3失点で16戦ぶりの敗戦…堅守が崩れた理由とは

2019年08月01日 本田健介(サッカーダイジェスト)

鬼木監督、谷口は同じ言葉を口にする

肩を落として引き上げる川崎の選手たち。リーグ戦で今季2敗目を喫した。(C)J.LEAGUE PHOTOS

[J1リーグ16節]広島3-2川崎/7月31日/Eスタ
 
 ACLの影響で未消化だった16節の広島と川崎の一戦が、7月31日にエディオンスタジアム広島で行なわれ、広島が川崎に3-2で勝利。川崎にとっては今季リーグ戦2敗目、16試合ぶりの黒星で、首位のFC東京を追う立場としては痛い一敗となった。
 
 王者にとってはショッキングな結果となった。今季初の3失点。しかも、試合前まではC大阪と並んでリーグ最少の失点数(19試合で12失点)を誇っていた守備がよもや崩れたのだ。開始4分にCKから失点すると、23分には森島司のクロスをドウグラス・ヴィエイラにヘッドで決められ、52分には再びセットプレーでネットを揺らされた。
 
 その後、猛反撃を見せ、小林悠、レアンドロ・ダミアンのゴールで1点差まで詰め寄った点は力強さを感じたが、スコアをタイに戻すことはできなかった。
 
 鬼木達監督は試合後、「最初の入り方のところで、セットプレーで失点してしまった。ただそういうこともあると思いますが、その後にもう1失点してしまった。そういうところの甘さが出てしまったと思います」と振り返る。
 
 甘さという言葉を口にするのは守備の要であるCB谷口彰悟も同様だ。
 
「入りがもったいなかったです。コーナーでやられ、連続失点して、ゲームを難しくしてしまいました。甘かったです。全部甘かった。3失点ともに、悪いところが出てしまった」
 
 またボランチの下田北斗は「立ち上がりフワッと入って失点してしまったのが、すべてではないですが、大きな要因だと思います。なかなか流れを変えられずに3失点してしまったのは不甲斐ないです」と視線を落とし、苦戦の理由を「相手も固めているので、上手く立ち位置を見つけられなかったというのもありますし、そこは個人戦術の問題、自分の力不足を感じました」と口にする。
 
 前節から中3日でのアウェー戦、猛暑日が続いたことでのコンディション調整の難しさ、複数人のスタメンの変更、広島は10日ほどの準備期間があったことなど、歯車が微妙にズレる要因はいくつかあった。
 
 もっとも外的な要素に敗戦の理由を探しても仕方ないだろう。3連覇を目指すうえでは、指揮官や谷口が口にした"甘さ"を追求し、改善する必要がありそうだ。
 
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
 
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