デ・ロッシはなぜボカへ? 入団会見で明かされた電撃移籍の理由「もっとクレイジーな場所に行くか…」

2019年07月30日 サッカーダイジェストWeb編集部

「マラドーナのようにゴールは捧げられないけど…」

アンジェリッシ会長(右)とともに入団会見に臨んだデ・ロッシ。これまでえんじ色のユニホームを着てきたが、ボカのクラブカラーも様になっている。 (C) Getty Images

 イタリアのレジェンドがついにアルゼンチンに降り立った。

 現地時間7月29日、アルゼンチンの名門ボカ・ジュニオルスは、今年5月にローマを退団していた元イタリア代表MFダニエレ・デ・ロッシの入団会見を本拠地ボンボネーラで行なった。

 下部組織時代を含め、18年間にわたって在籍したローマを昨シーズン限りで退団したデ・ロッシ。今月24日で36歳となる大ベテランは、一部で引退も囁かれたが、現役への情熱を失っておらず、かつてともにプレーし、現在ボカでスポーツディレクターを務めているニコラス・ブルディッソの誘いを受け、アルゼンチンへの挑戦を決めたのだった。

 ボカは南米屈指の強豪クラブであり、当然、ファンやマスコミからのプレッシャーも凄まじい。これまでに幾多の修羅場を乗り切ってきたデ・ロッシといえど、簡単な挑戦ではないだろう。ましてや、ローマ一筋を貫いてきた男にとって、初の移籍で慣れないことも多分にあるはずだ。

 なぜ、デ・ロッシはキャリアの晩年にあえて厳しい環境に身を置いたのか? ダニエル・アンジェリッシ会長とともに会見に臨んだイタリア・サッカー界のレジェンドは、「この歳ですべてを変えるのは怖かった」としつつも、移籍を決断した理由を明かした。

「ローマから出るという公式なニュースが出た時、真っ先に連絡をくれたのがニコ(ブルディッソ)だった。彼は本気で俺を欲しがってくれた。だけど、この年齢を考えて、すぐに決断をすることはできなかった。家族のことを考えても、何かを変えるというのが怖かったからね。

 今まで毎日24時間サッカーとともに生きる狂った世界にいた。だから、その後にリラックスができるところに行くか、もっとクレイジーな場所に行くかを選べた。でも、俺が選んだのは後者だったんだ。刺激的な場所でサッカーがしたいという欲求が勝ったんだ」

 さらに「全力を尽くすよ。ここでのプレーは人としても向上できると思っている」と意気込んだデ・ロッシは、ボカでの"目標"についても力説した。

「コパ・リベルタドーレスに勝つこと、そして全てを手にすることが目標になる。俺はマラドーナのようにゴールを捧げられるような選手ではないけど、ローマでやってきたように身体の全エネルギーをチームのために尽くそうと思っている」

 ボケンセ(ボカの熱狂的なファン)をたぎらせる熱きメッセージを送ったデ・ロッシ。ボカでもローマ時代から慣れ親しんだ16番を背負う男の挑戦から、目が離せそうにない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 

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