悩めるハメスのマドリー残留が決定か。ペレス会長がジダン監督の意向を汲まずに独断で…

2019年07月30日 サッカーダイジェストWeb編集部

俊英アセンシオの大怪我が判断材料に

月曜日午前、787日ぶりでマドリーの練習場に現われたハメス(右)。ドイツ遠征メンバーには選ばれなかった(写真はクラブ公式より)。

 まさに急転直下の展開だ。コロンビア代表MFハメス・ロドリゲスのレアル・マドリー残留が事実上決まったと、スペイン全国スポーツ紙『AS』が伝えている。
 
 現地時間7月29日の午前、マドリーはジネディーヌ・ジダン監督の下で北米遠征後初となるトレーニングを実施。同30日と31日にドイツ・ミュンヘンで開催されるアウディ・カップに向け、のっけからハードメニューを選手に課した。
 
 この日の練習がチームでの始動となったのが、コパ・アメリカに出場していたカゼミーロ、ミリトン、そしてハメス・ロドリゲスの3選手だ。ハメスは2シーズンに及んだバイエルン・ミュンヘンでのレンタル期間が満了となり、実に787日ぶりでマドリーの練習場に登場した。初日は笑顔を振りまきながら、軽いジョギングで身体をほぐしたのみ。さすがにオフ明けまもないため、ドイツ遠征メンバーの24名からは外れた。
 
 そんななか、『AS』紙が報じたのが、マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長とハメスの会談内容だ。その場で会長はハメスに「残留」の最終決定を伝えたという。以下のようにレポートしている。
 
「今夏、ハメスはナポリ、アトレティコ・マドリーへの移籍が大いに取り沙汰された。だがナポリがレンタルでの獲得を切望するとペレス会長がこれを固辞し、アトレティコに関しては端から売却の意志さえなかった。マルコス・ジョレンテにアルバロ・モラタと元マドリーの選手がアトレティコに所属しており、これ以上ライバルの望みを叶えたくないと考えたのだ」

 
 宙ぶらりんとなっていたハメス。そこで起こったのが、インターナショナル・チャンピオンズカップ、アーセナル戦での悲劇だ。右サイドでの活躍が期待されたマルコ・アセンシオが左膝のじん帯を傷め、最悪の場合はシーズン絶望という大怪我を負ったのである。同紙によると「ペレス会長はアセンシオの負傷によって、ハメスの残留を即断した。そして彼に直接伝えたのだ。しかし、ジダン監督は納得していないだろう。2016-17シーズンに(ハメスの)見極めは終わっている。構想外という指揮官の意向を、会長は無視したのだ」と断じている。
 
 左利きで、右サイドとトップ下が主戦場のハメスが残留するとなれば、トップチームで同じポジションに配される公算が高い久保建英の今後にも、少なからず影響が出てきそうだ。

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