ベイルの移籍破談はペレス会長の独断!? ジダンも激怒して“第3次銀河系軍団”は内部崩壊の危機?

2019年07月30日 サッカーダイジェストWeb編集部

移籍を止められたベイルは不満分子に…

関係が破綻しているとされるジダン(右)とベイル(左)。後者が目論んだ中国移籍は失敗に終わった。 (C)REUTERS/AFLO

 現地時間7月28日、英公共放送『BBC』は、ガレス・ベイルのレアル・マドリーから中国スーパーリーグの江蘇蘇寧への移籍交渉が合意目前で破談に終わったと報じた。

『BBC』によれば、ベイルは28日に訪中し、週給100万ポンド(約1億4000万円)という要求を受け入れた江蘇蘇寧とサインを交わすのみという段階に至っていたが、直前になってマドリーが交渉を白紙に戻すと決定。電撃移籍はあえなく暗礁に乗り上げた。

 昨シーズンの終盤にジネディーヌ・ジダン監督が最後通牒を言い渡したとされるベイルを、なぜマドリーは手放さなかったのか? 英紙『The Sun』によれば、この決断は、フロレンティーノ・ペレス会長の独断だったと報じている。

 そもそもベイルの獲得に際して、江蘇蘇寧は移籍金の支払いを渋っていた。中国では7億円を超える取引に関しては、100%の税金を支払うという"爆買い抑止"のルールが生まれたためだ。

 一方のマドリーとしても、2013年の夏に当時の史上最高額となる1億100万ユーロ(約122億2000万円)を費やして獲得したベイルをタダで売却すれば、収支は大きくマイナスになることになり、ひいてはペレス会長へ批判の矛先が向かう可能性も考えられる。そのために交渉を終わらせたのだ。
 
 しかし、ペレス会長がとった独善的な振る舞いは、ジダンとベイルの双方から"反発"を生んでいる。

『The Sun』によれば、ジダンは、高給取りのうえ戦力外のベイルが残ることに疑問を感じているうえ、かねてより上層部に対して獲得を打診しているマンチェスター・ユナイテッドのポール・ポグバの交渉にも影響を及ぼすことにも嘆いているという。

 今夏のプレミアリーグの移籍市場は、8月8日に閉じるため、ユナイテッドが後釜獲得に要する時間を考えると、このフランス代表MFが売りに出される可能性は、日に日に小さくなっている。

 そして、中国まで足を運んでいたベイルも当然、土壇場で交渉が破綻したことにイライラを募らせているようだ。代理人のジョナサン・バーネットは、「なぜ、残らなくてはいけないのか。全てはジダンのせいだ。ガレスとの間にもはや関係性などない」と怒りを露わにしている。

 もちろん、ベイルが他のクラブに移籍する可能性は残されているが、高額のサラリーがネックとなり、現在のところオファーが届いているという報道はない。クラブと指揮官へ不満を募らせているウェールズ代表FWが残留となれば、もはやマイナスでしかない。

 プレシーズンマッチとはいえ、宿敵アトレティコ・マドリーに屈辱的な大敗を喫するなどピッチ上のパフォ―マンスもパッとしないマドリー。ジダンとペレス会長との亀裂も含めて、ベイル問題を早急に解決しなければ、エデン・アザールらを迎えて"第3次銀河系計画"を押し進めるチームが、早くも内部崩壊の危機に瀕する可能性もありそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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