「彼が参加したいと望むなら…」大迫勇也の東京オリンピック出場を、ブレーメンは容認の方向? 現地紙が見解

2019年07月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

「派遣義務はない大会ではあるが…」と大迫の希望を重視

大迫自身が望んでいるかは不明だが、ブレーメンとしてはコパ・アメリカの時のように絶対に派遣しないという姿勢ではないようだ。 (C) Getty Images

 ちょうど1年後に迫った東京五輪。男子サッカーは23歳以下の選手が中心となるU-23日本代表が挑むことになるが、23歳以上の選手を加えることができるオーバーエイジ枠の候補もそろそろ絞り込まれ始めているようだ。

 五輪でのオーバーエイジ枠は3人。昌子源(トゥールーズ)、柴崎岳(デポルティボ)、中島翔哉(ポルト)、そして大迫勇也(ブレーメン)が有力候補として考えられているという報道に対し、所属クラブのブレーメンは「もし大迫が望むなら止めはしない様子」だと、地元紙『kreiszeitung』が"驚きを以って"報じた。

 というのも、今年1月のアジアカップ以降、日本サッカー協会とブレーメンは大迫をめぐり、ちょっとした騒動になっていたからだ。

 大迫は19年1月に参加したアジアカップに日本代表として参加し、準優勝に貢献したが、クラブに戻ってくると「プレーできないほどの背中の負傷」が判明。静養とリハビリのため、シーズンの後半戦で約2か月ほど戦線から離れる状態に陥った。

 この一件でブレーメンのフロントや指揮官フロリアン・コーフェルトが「怪我をしていない選手が怪我をして帰ってきた。どういうことなのか理解できない」と日本サッカー協会に対して怒りを露わに。6月に行なわれたコパ・アメリカには「派遣しない」と事前に表明するという、緊張事態に発展した。

 こうした背景に加え、五輪はコパ・アメリカと同様に派遣義務の生じない国際大会のため、ブレーメンは大迫の招集を拒むこともできる。

 だが同紙は、「母国で高い評価を得ている彼が、日本で開催されるオリンピックに出場することを望んだとして、それは驚くべきことではない。おそらく彼が参加したいならば、ブレーメンはその道を邪魔することはしないだろう」と伝えている。

 大迫には、目の前で五輪出場を逃した過去がある。2011年、当時の大迫は酒井宏樹ら「ロンドン五輪世代」のエースとしてアジア予選に参加し、最終予選では6試合中4試合に先発する主力だった。

 だが、予備登録メンバーに選出されながらも、本登録の18人からは落選し、自身初の国際舞台となるはずだった五輪の舞台はその手をすり抜けた。

 その後、2013年に鹿島アントラーズからドイツに渡り、2014年に行なわれたブラジル・ワールドカップの本戦メンバーに選出。続く2018年のロシア・ワールドカップでも日本代表としてプレーし、初戦のコロンビア戦では待望の自身W杯初ゴールを決める活躍でチームを勢いづけ、決勝トーナメント進出に貢献した。

 もちろん、現時点で大迫自身が意思表示をしているわけではない。ただ、8年前に逃したオリンピックの舞台に、満を持して大迫が挑む可能性は、ゼロではないのかもしれない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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