「ゴール=勝利」 絶好調ミュラー、30点の大台も視野に!【バイエルン番記者】

2014年11月14日 パトリック・シュトラッサー

「爆撃機」からも太鼓判。

バイエルンでもドイツ代表でも類稀な嗅覚を発揮し、チームを勝利に導いているのがミュラーだ。写真は「ディ・マンシャフト」の上映会の一コマで、右はリザ夫人。 (C) Getty Images

 トーマス・ミュラーがベルリンのベルビュー宮殿でのレセプションを経験するのは、これが二度目だった。今回は、アンゲラ・メルケル連邦首相とヨアヒム・ガウク連邦大統領から表彰を受けた。ワールドカップ優勝を称える「銀の月桂樹賞」を、ドイツ代表の仲間たちとともに受賞したのだ。
 
 そしてその晩には、ブラジルでのドイツ代表を追ったドキュメンタリー映画「ディ・マンシャフト(ザ・チーム=ドイツ代表の意)」のプレミア上映会に参加した。フィリップ・ラーム、バスティアン・シュバインシュタイガー、マヌエル・ノイヤー、ミロスラフ・クローゼが主演を演じたこの映画で、ミュラーは「最優秀助演賞」を得るに値しただろう。ワールドカップで5得点を挙げたのだから。
 
 ドイツ代表は11月14日、ニュルンベルクでジブラルタル代表と戦う。EURO2016予選だ。この試合で、ミュラーは代表でのゴールをさらに上積みするだろう。南アフリカ・ワールドカップの得点王であるミュラーは、これまで60試合で24得点を決めている。
 
「ゴールを決める時は、いつもお腹がかゆい(注/そわそわする感じ)。もう何試合も経験していてもだ」
 11月8日のフランクフルト戦(4-0)でハットトリックを決めたミュラーはそう言った。「ブンデスリーガの試合で3得点するのは、普通のことではないしね。もちろん、嬉しいよ。それがクリスマスまで続かなかったとしてもね」
 
 12節を終えたブンデスリーガで、ミュラーは6得点・4アシストをマークしている。得点はリーグ首位タイ、アシストはリーグ3位だ。それ以上に素晴らしいデータがある。ミュラーがゴールを決めた試合のバイエルンの勝率だ。47勝3分け。絶対に負けないのだ。
 
 ミュラーは、新たにチームメイトになったロベルト・レバンドフスキを追い落とし、自身初となるリーガ得点王の称号を手にできるだろうか?
 
 現役当時は「爆撃機」と呼ばれたストライカーで、74年のヴェルトマイスター(世界王者)にしてブンデスリーガ歴代得点王であるレジェンドのゲルト・ミュラーは、太鼓判を押す。
「ミュラーにはクオリティーがあり、ワールドカップ後、勢いもある。30点の大台を突破する勢いが」
『シュポルトビルト』誌のインタビューでそう語った。
 
 年間30ゴールはブンデスリーガではひとつの壁で、最後に達成されたのは76-77シーズン。1FCケルンで34ゴールをマークしたその点取り屋もミュラー。ディーター・ミュラーだった。
 
【記者】
Patrick STRASSER|Abendzeitung
パトリック・シュトラッサー/アーベントツァイトゥング
1975年ミュンヘン生まれ。10歳の時からバイエルンのホームゲームに通っていた筋金入りで、1998年にアーベントツァイトゥングの記者になり、2003年からバイエルンの番記者を務める。2010年に上梓した『ヘーネス、ここにあり!』、2012年の『まるで違う人間のように』(シャルケの元マネジャー、ルディ・アッサウアーの自伝)がともにベストセラーに。
【翻訳】
円賀貴子
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