バルサで「4番」の系譜を継ぐデヨング、地元メディアはデビュー戦のプレーを高く評価

2019年07月24日 竹田 忍(ワールドサッカーダイジェスト編集部)

指揮官は複数のポジションでの起用を示唆。

待望のバルサ・デビューを果たしたデヨング。周囲との連携が深まればさらに存在感は増すはずだ。(C)Getty Images

[楽天カップ2019]バルセロナ 1-2 チェルシー/7月23日/埼玉スタジアム2002

「幼い頃からバルセロナでプレーすることが僕の夢だった。そして今、僕はここにいる。とても嬉しいよ」

 7月5日の入団会見でそう語っていたバルサの新加入MF、フレンキー・デヨング。オランダからやって来た22歳の天才が23日、埼玉スタジアムで行なわれたチェルシーとのフレンドリーマッチでついに、その「憧れのチーム」にデビューした。

 アヤックス時代から慣れ親しんできた「背番号21」のシャツをまとい、後半の頭から登場したデヨングは、セルヒオ・ブスケッツに代わってピボーテ(ボランチ)の位置でプレー。つねに首を振り、最適なポジションとプレーを一つひとつ丁寧に選択しながら、最終ラインから引き出したパスを巧みに前線に散らしていた。

 前半のピッチで躍動したカンテラ(下部組織)出身のリキ・プッチとはまた違ったリズムで、バルサの攻撃を動かし、イバン・ラキティッチらとリンクしながら司令塔としての役割をそつなくこなす。最終ラインまで下がってビルドアップの起点になることもあった。
 
「十分に見込みがある」

 デヨングのチェルシー戦のパフォーマンスには、地元バルセロナのメディアも総じて高い評価を与えており、それはチームを率いるエルネスト・バルベルデ監督も同様だ。

「非常に高い資質を持ったプレーヤー。複数のポジションで試してみたい」

 ラキティッチに退団の噂が絶えず、ブスケッツのピッチ内でのプレゼンスが年々低下しているという現状がある中で(この日も失点につながるミスを)、デヨングは多くのバルサファンのまさしく希望的存在だ。

 このデビュー戦では周囲の選手とタイミングが合わず、苛立ちを見せる場面も何度かあったが、そうしたストレスも時間の経過とともに減っていくだろう。

 ジョゼップ・グアルディオラからブスケッツへと継承されてきたバルサの「4番」(ピボーテ)の系譜を、はたしてデヨングは引き継ぐことができるのか。22歳の大型新人から目が離せない。

取材・文●竹田 忍(ワールドサッカーダイジェスト編集部)

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