ホンジュラス代表の現状は? 「惨敗したW杯からチーム力はさらに低下」

2014年11月13日 マルティン・デル・パラシオ

フィジカルに依拠したダイレクトなサッカーを展開。

3連敗に終わったブラジルW杯からの再建は、思うように進んでいないようだ。 (C) Getty Images

 3戦全敗に終わったブラジル・ワールドカップ後に就任したエルナン・メドフォード新監督は、それまでのスタイルを踏襲。オーソドックスな4-4-2をベースに、フィジカルに依拠したダイレクトなサッカーを展開している。
 
 だが、ウィルソン・パラシオスやカルロ・コストリーら主力が退いたチームは、質の低下が明らかだ。ワールドカップ以降も不振は続き、9月のコパ・セントロアメリカーナは格下のエルサルバドルやグアテマラの後塵を拝す5位に終わり、新指揮官はいきなり進退論が取り沙汰された(結局は続投)。その後、メキシコ(0-2)、アメリカ(1-1)との親善試合では改善が見られたものの、依然として攻撃時には創造性や意図を欠いたプレーが散見された。
 
 その主な要因は、代表経験の浅いロメル・キオトやロヘル・ロハスら前線のコンビネーション不足にある。アンデルレヒト所属で、チャンピオンズ・リーグでも活躍する(アーセナルとの2試合で1得点・1アシスト)アンディ・ナハルが攻撃の核だが、この21歳の力だけですべての問題を解決できるわけではない(編集部・注/ナハルは怪我で日本、中国と対戦するアジア遠征メンバーから外れた)。
 
 一気に若返った攻撃陣とは異なり、守備陣の中央にはピークを過ぎた感のあるマイノール・フィゲロアとビクトール・ベルナルデスが鎮座。もっとも、左SBのエミリオ・イサギーレはスコットランドの名門セルティックでレギュラーを張る実力者で、日本もこのエリアでは世界レベルと対峙することになる。
 
 率直に言って、現ホンジュラス代表はグループリーグで全敗したワールドカップの時より力を落としている。来夏のゴールドカップでの上位進出や18年ロシア・ワールドカップ出場を果たすためには、劇的な進化が必要だろう。
 
文:マルティン・デル・パラシオ
翻訳:井川洋一
 
(週刊サッカーダイジェスト 2014.11.25号より)
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