「スピーディーで柔軟」英紙のチェルシー番記者が川崎を称賛!! 特に印象に残った選手は?

2019年07月20日 マット・バーロウ(イギリス『Daily Mail』紙記者)

チェルシーは蒸発したかのように勢いを失っていた

日本での初戦を黒星で終えたランパード新監督率いるチェルシー。23日にバルセロナと対戦する。 (C)SOCCER DIGEST

 横浜にある日産スタジアムで、スリリングな展開の末に川崎がチェルシーを破る姿を目の当たりにしたことは望外の喜びで、愉快な夜だった。スタジアムにあふれる色彩、響き渡る歓声とパッション。それらすべてが、レアンドロ・ダミアンによる勝利を決定づけるゴールが決まった瞬間、最高潮に達し、勝利を祝福した。

 勝者にふさわしかったのは川崎だ。チェルシーは、蒸発したかのように勢いを失い、エネルギーが枯渇していた。L・ダミアンの決勝弾は、川崎のパフォーマンスに対するご褒美としては、少し物足りなかったくらいだ。

 この夜の勝利は、日本のフットボールが持つ力と、成長して実力をつけ続けているという事実を証明した。そして、新たな船出をしたばかりのチェルシーに対する大きな警告にもなった。

 もちろん、チェルシーにとっては不利な条件も重なっていた。新指揮官のフランク・ランパードは就任したばかりで、チームを率いてまだ2週間ほどだ。現在は、これから始まるヨーロッパサッカーの新シーズンに向け、休暇明けの選手たちがフィジカルコンディションを一生懸命に整えている最中。しかも、ロンドンでは経験することのない暑さと湿気のなかで、2部練習をこなしたばかりという状態だった。

 だが、試合前日の会見で、予兆はあった。ランパードとMFマテオ・コバチッチの隣に座っていた川崎の鬼木達監督は、この試合での勝利を真剣に考えていることが伝わってきた。彼の双眸はギラギラと輝いていた。そして、彼の率いる選手たちは、試合開始のホイッスルが鳴り響いた瞬間から、その意欲が本物であることを証明したのだ。

 川崎は常にハイテンポなチェイシングでチェルシーの選手たちを不快にさせ、落ち着いて自由にプレーする時間を与えなかった。

 この試合でのチェルシーの先発メンバーは、現時点でのファーストチョイスだったと思われるが、川崎はそれに負けず劣らずの資質を備えていることを証明した。勝利への意欲と意志の強さ、集中力は、世界も認める日本のチームの優秀な点だ。

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