「正直、差はまだまだあった…」チェルシー撃破も中村憲剛が口にした課題。川崎に何が足りなかったのか?

2019年07月20日 羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWeb)

ゲーム内容には明確な差があった

決勝点をアシストして勝利に貢献した中村だが、試合後に口にしたのは反省だった。 (C) SOCCER DIGEST

 最終スコアは1-0。6万人を超えた大観衆が見つめた注目の一戦を制したのは、川崎フロンターレだった。

 7月19日、日産スタジアムで開催された「Jリーグワールドチャレンジ」は、87分にレアンドロ・ダミアンがヘディングで奪ったゴールを守り抜いた川崎が、チェルシーを下した。

 試合終了直後のスタジアムは、世界的なビッグクラブを相手に川崎が競り勝ったという結果に大いに沸いていた。その雰囲気自体は素晴らしいものだった。だが、内容を客観的に見れば、欧州のビッグクラブとJクラブの地力の差が明確に表われたゲームだったと言えた。

 とくにチェルシーが主力と考えられるメンバーを並べた前半、川崎は押し込まれる展開が続いた。中盤では2ボランチのジョルジーニョとマテオ・コバチッチにことごとくボールを拾われ、局面での肉弾戦で当たり負けするシーンも一度や二度ではなかった。

 枠内シュートこそ、15分にペドロ・ロドリゲスが放った一本だけだったが、6割以上もボールを支配された。前半のチェルシーとの間に力の差があったのは、川崎の最終ラインが自陣のペナルティーエリア手前まで押し下げられていたことからも、明らかだった。

「前半はこりゃあ結構しんどいなって。普段、自分たちがJリーグでやっていることを、向こうがやっているんだろうなっていうのは凄く感じました」

 試合後にそう漏らしたのは、川崎の重鎮である中村憲剛だった。

 83分からピッチに立って、柔らかいクロスボールで決勝弾をアシストし、見事にマン・オブ・ザ・マッチを手にした38歳の大ベテランは、「差はまだまだあったと正直思いますね」とポツりとつぶやき、実際に目にした"差"を語った。

「たぶん目指せる部分と、どうしようもない部分がある。一つは、止めて、蹴るということ。向こうは止められるから色んな選手が見えるし、簡単に逃げられる。こっちがドンピシャでないと前からボールを奪いにいけなかった。

 あとパススピードは絶対だなというのは感じました。そこは前半のチェルシーは無駄なくやっていたし、ポジショニングも良かったからボールを取られた瞬間から取り返しにいけていた。逆にこっちは崩されていた。向こうにはある程度、アバウトでも止められる身体能力を持っている選手がいるなかで、向こうよりも止めて、蹴るができないと戦えないと感じましたね」

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