【J2】山形を下した京都が首位浮上。値千金の決勝弾を決めたのは…

2019年07月13日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

1位と2位の直接対決は立ち上がりから一進一退の攻防

決定機に絡んだ京都の一美。後半の先制弾は素晴らしかった。写真:徳原隆元

 2019年7月13日、勝点3差で迎えた1位・山形と2位・京都の首位攻防戦がNDソフトスタジアム山形で行なわれた。
 
 ホームの山形は3-5-2-システムで、GKが櫛引政敏、DFが熊本雄太、栗山直樹、ホドルフォ。ウイングバックが三鬼海と山田拓巳、MFが柳貴博、本田拓也、井出遥也、FWがジェフェルソン・バイアーノと阪野豊史だった。
 
 アウェーの京都はシステムが4-5-1で、GKが加藤順大、DFが石櫃洋祐、宮城雅史、本多勇喜、黒木恭平。MFが庄司悦大、仙頭啓矢、福岡慎平、金久保順、小屋松知哉、FWが一美和成だった。
 
 立ち上がりは一進一退の攻防。山形がインサイドハーフ気味でプレーする井出を中心に攻撃を組み立てれば、対する京都も仙頭と小屋松の両サイドを起点に崩そうとしていたが、双方とも決定機を作るまでに至らなかった。
 
 20分過ぎから山形がゴール前に迫るシーンが何度かあったが、22分に阪野のクロスに柳がヘッドで合わせたシュートも枠外。京都も素早いパス回しから33分にミドルで強襲、37分には小屋松のドリブル突破から金久保が決定機を迎えて、さらに45分には石櫃のシュートがポストに跳ね返ったボールを一美が至近距離から狙うも、結局はゴールを奪えなかった。
 
 前半を終えて目立ったのはまず京都DF陣の奮闘だ。宮城と本多の両CBを軸に集中を切らさず、粘り強く守った。一方の山形ではGK櫛引が大活躍。37分、45分のピンチにいずれもビッグセーブで防ぐなど、水際でゴールを死守した。
 
 0-0で迎えた後半、最初にペースを握りかけたのは山形だった。開始直後、ホドルフォのスルーパスに阪野が反応。これはオフサイドの判定だったが、50分には山田のクロスに阪野がヘッドで合わせて京都にプレッシャーをかけた。
 
 しかし、京都も負けていない。54分、石櫃のCKを本多がヘッド。これはGK櫛引に防がれるが、そのこぼれ球にいち早く反応した一美が右足で押し込んで先制点を奪った。
 
 坂元達裕を投入して3-4-2-1システムに変更した山形が攻めの姿勢を強める一方で、京都もCF一美のフィジカルを武器にチャンスを作る。69分のビッグチャンス(一美がフリーでシュート)はGK櫛引の好守もあってモノにできなかったが、一美のゴールに迫るプレーは時間の経過とともに迫力を増していった。
 
 その一美をベンチに下げた京都は山形の攻撃を跳ね返しつつ、マイボールにした際は慌てずつなぐようなサッカーを展開。時折ギアチェンジをしてカウンターも繰り出すなど相手の守備陣を揺さぶった。
 
 攻撃的な南秀仁や大槻周平を投入して同点ゴールを狙う山形のアタックをどうにか防ぎ、最後まで守り抜いた京都が1-0で勝利。この結果、山形と同勝点(40)ながらも得失点差で「1」上回り、首位に立った。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集長)
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