【特別インタビュー】誰よりも「シュートを止められるGK」になるために。シュミット・ダニエルがベルギー移籍を決めたきっかけは“焦り”だった

2019年07月18日 熊介子(サッカーダイジェストWeb編集部)

「海外のGKはレベルが高い」の真実を求めて

新天地のベルギーへ渡ったシュミット。ステップアップにも貪欲だ。 (C) PUMA

 7月1日、J1ベガルタ仙台からシント=トロイデン(ベルギー)への完全移籍でクラブ間合意に達したと発表され、13日にホームスタジアムでJリーグでのラストゲームを終えたGKシュミット・ダニエル。

 日本代表に選出され、クラブでは副キャプテンも務め、絶対的守護神である彼が、安定したポジションと愛するチームから離れる決意を固めたのは何故か? ベルギー行きを間近に控えた某日、その心境を訊いた。

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――改めて、シーズン途中でベガルタ仙台を離れることについて、その思いを聞かせてください。

「チームに対しては迷惑をかけるというか、本当に申し訳ないという気持ちです。今シーズン頑張ろうと気持ちをひとつにしたチームを、悪く言えば、捨てていく形になってしまって、本当に申し訳ない。

 ただ、自分個人のことだけを考えたとき、これ以上ないステップアップのチャンスだと感じたし、このチャンスは掴まないといけないと感じました」

――海外移籍の決め手は、何でしたか?

「日本代表として(2022年のカタール)ワールドカップに絶対出たい、活躍したいという気持ちです。そのためには、世界で、ヨーロッパで、日ごろから一流の選手たちを相手に戦いたい。海外でしか経験できないことやシチュエーションを求めて、移籍を決断しました」

――気持ちはいつごろから固まっていたんですか。

「海外に行きたいという気持ちは、日本代表に入ってから強くなっていました。海外組の選手が口をそろえて『GKのレベルが高い』と言う。でも、映像を観ているだけだと、その凄さが分かりづらい。だからこそ、実際に目で見て、やってみないと経験できない何かがあるのだと感じたんです」

――海外でポジション争いを勝ち抜く自信は?

「僕自身は、足元の技術やフィードの正確さなどを評価してもらうことが多いですが、そこで張り合うことは考えていません。足元のうまさは、テクニックとして備えているに越したことはないでしょうが、一番大切なことはシュートを止めること。そうでないと、海外ではGKとして評価されないと思っています」

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