【J2】首位ターンの山形。木山監督が選ぶ前半戦のベストゲームは?

2019年07月10日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「ベストゲーム? ありましたっけ?」と最初はとぼけたが…

山形をJ1昇格に導けるか。木山監督の手腕に期待したい。写真:徳原隆元

 2019年シーズンのJ2リーグ前半戦を終えて、堂々の首位(11勝7分3敗で2位・京都とは勝点2差)。13失点は21節終了時点で今季最少という結果を受け、7月10日の練習後に囲み取材に応じた木山監督は「十分よく戦っている」とここまでのチームパフォーマンスを評価していた。
 
「前線の選手もよく守ってくれています。精神的にも汚れ役を厭わないタイプが揃っていますからね。後ろ(最終ライン)は後ろで去年から継続して連係も深まっているし、そういう意味での最少失点だと思います。この守備は自分たちの武器。それを生かしながら後半戦も頑張っていきたい」
 
 もっとも首位をキープしているが、「圧倒的な力を示して勝てるレベルにはない」と木山監督は冷静にコメント。だから後半戦も1試合、1試合を大事に戦っていく。
 
「しっかり粘り強く戦って、少しでも相手のウイークポイントを突けたら。圧倒的に攻められた試合でも自分たちの時間帯を作って、そこで点を取れるようになりたい。(攻撃面、特にアタッキングサードのクオリティアップについては)よく言われるけど、簡単ではない。やれることをしっかりやって、1-0でいいから勝っていきたい」
 
 そんな木山監督に「前半戦のベストゲームは?」という質問が飛ぶ。すると、「ベストゲーム? ありましたっけ?」と最初はとぼけてみせて、記者団の笑いを誘った。とはいえ、そのあと指揮官はしっかりとこう答えている。
 
「個人的に好きなのはアウェーの横浜FC戦(2節/2-0の勝利)。町田との試合(3節/3-0の勝利)も攻める姿勢は良かったし、攻守のバランスは整っていました。
ジェフの試合(13節/3-1の勝利)も後半は良かったと思います」
  
 敵地での横浜FC戦は、阪野の2ゴールで勝利したゲームだ。プレスの強度、守備の安定感が素晴らしく、雨の中でもボールをよく動かし、内容と結果が伴っていた。ただ、それらの試合に満足しているかと言えばそうではない。
 
「1試合を通して自分たちの良さを出せたゲームは少ない。ペースを握れない時間を耐えて、そこから勝ちに持っていったという前半戦でしたかね。ここから急に圧倒できるわけではないし、粘り強くやっていきたい」
 
 22節は京都との首位攻防戦。このホームゲームも粘り強い戦いぶりで勝利を収めることができるか。山形の、そして木山監督の、J1昇格に向けた本当の戦いはここから始まると言えるだろう。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
 
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