引退トーレスに「感謝」。ビジャ、今季7点目&世界レベルのループショットにスタジアムも沸騰!

2019年06月24日 白井邦彦

「ピッチ内外の彼といろんな時間を共有できたことに喜びを感じている」

[J1リーグ16節]神戸2-2大分/6月24日(土)/ノエスタ
 
 元スペイン代表のフェルナンド・トーレス(鳥栖)が引退を表明した。今季リーグ2節で神戸にやってきた際は、アンドレス・イニエスタ、ダビド・ビジャ、ルーカス・ポドルスキとの世界王者4人の共演で話題を集めた。試合はビジャがJリーグ初ゴールを挙げるなど、今季最高レベルのエンターテイメントに。Jリーグファンにとっては忘れられない一日となった。
 
 24日の大分戦の後、スペイン代表などで共にプレーしたビジャがトーレス引退について言及した。
「まず彼(トーレス)の素晴らしいキャリアに対して本当に賞賛したい。そしてサッカー界に貢献したことに対して感謝したい。また、ピッチの内外で彼といろんな時間を共有できたことに喜びも感じている」
 
 その想いをピッチで体現するかのように、大分戦のビジャの動きはキレていた。
 
 開始6分、小川慶治朗のハイプレスからウェリントンがこぼれ球を拾い、すかさずビジャにパスを供給。それを冷静にゴールへ流し込んだビジャが今季7ゴール目を叩き込んだ。このゴールでビジャはJ1得点ランキング2位タイに浮上。トーレスより2歳上のストライカーは、その後も輝き続けた。
 
 大分のオナイウ阿道に1点を返された直後の10分過ぎ。スルーパスで抜け出したビジャが、大分のGK高木駿の位置を確認しながら絶妙なタッチでループシュートを放った。美しい弧を描いたシュートは、残念ながら高木のファインプレーでゴールとはならなかったものの、この世界レベルのプレーにスタジアムが湧いた。
 

 66分には西大伍からの絶妙なクロスを頭で合わせるなど、常にゴールに狙ったビジャ。試合を通して前線からプレスをかけ続けるなど、チームのために労を惜しまぬプレーは賞賛に値した。
 
 だが、試合は89分に大分の小林成豪が古巣・神戸を相手に、意地の同点ゴールを挙げて2−2の引き分けに。ビジャは「少し残念な気持ちがある。試合はずっとリードしていたし、こちらのミスで向こうに点を与えてしまったから。でも、チームとしては試合を通して常にいい戦い方ができたし、相手よりも優位に試合は進められたので、この調子でやっていきたい」と振り返った。
 
 大分戦で勝点3は逃したものの、神戸はこれで4戦負けなし。いい形で前半を折り返すには、次節の名古屋戦も負けられない。
 
取材・文●白井邦彦(フリーライター)
 

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