「10回も繰り返すなんて」イタリアU-21代表のユーベFWが大失態!指揮官の逆鱗に触れ東京五輪を懸けた大一番に…

2019年06月23日 サッカーダイジェストWeb編集部

監督は「勝つか負けるかは重要じゃない」とお冠

エースとして期待されながらここまでノーゴールのケーン。汚名返上の機会は巡ってくるか。写真:Alberto LINGRIA

 イタリアのU-21代表は6月22日、地元で開催中のU-21欧州選手権グループステージ最終節でベルギーと対戦した。結果次第で、来年の東京五輪への出場権を得られる重要な一戦だ。

 初戦でスペインに3-1と逆転勝利をしたものの、第2節でポーランドに0-1と敗れたイタリアは、勝点3でベルギー戦を迎えた。イタリアがグループ首位でベスト4に駒を進め、東京への切符を手にするには、ベルギーに勝利したうえで、ポーランドとスペインの試合結果次第という状況だった。

 そんな大事な一戦を前に、イタリアは規律面での問題が浮上してしまった。地元メディア『Sport Mediaset』によると、主軸のFWモイゼ・ケーン(ユベントス)とMFニコロ・ザニオーロ(ローマ)が、直前のテクニカルミーティングに遅刻したのだ。

 両選手がチームから外されることはなかったが、ルイジ・ディ・ビアージョ監督は厳しい姿勢を貫いた。出場停止だったザニオーロに加え、ケーンも試合で起用しないことを決めたのだ。この一件が起こるまで、ディ・ビアージョ監督はユーベの19歳を起用すると話していた。

 リッカルド・オルソリーニも負傷で使えないイタリアにとって、ケーンを外すのは痛手だった。だが、代役パトリック・クトローネやフェデリコ・キエーザの得点で、イタリアはベルギーを3-1と下した。

 試合後、ディ・ビアージョ監督は「我々はグループであり、ルールがある。それを何度も守らなければ、監督には介入する義務があるんだ」と述べている。

「私には指導し、教育する任務がある。チームに対するリスペクトと比べれば、勝つか負けるかは重要じゃない。ふたりで10回も繰り返し遅刻していれば、もう十分だと言わなければならない」
 
 試合に勝利したイタリアだが、もうひとつの試合でポーランドに5-0と圧勝したスペインに得失点差で及ばず、グループ首位の座を手にすることはできなかった。

 4強進出と五輪出場権は、グループ2位のうちの最高位になれるか次第だ。例えば、勝点6で並ぶグループCのルーマニアとフランスが引き分ければ、イタリアのチャンスはなくなる。

 ディ・ビアージョ監督は「小さな希望がある。とても難しいが、どうなるかを見てみよう」と述べた。

「選手たちにこれ以上求めることはできない。今夜も我々は素晴らしいプレーを見せた。結果には満足できないけどね」

 リスクを冒して若いスターに規律の大切さを説いたディ・ビアージョ監督のイタリアは、東京へのチケットを手にすることができるだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 
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