【三浦泰年の情熱地泰】コパ・アメリカ編|日本代表のサプライズに現地メディアもウルグアイ・サポーターも好意的

2019年06月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

ウルグアイ戦は、今日戦える選手を選んだと考えられる

三好の2ゴールで強豪のウルグアイと引き分けた日本代表。その戦いぶりを現地メディアやウルグアイ・サポーターも好意的に評価している。(C) Getty Images

 歴史的な敗戦から歴史的勝点なのか?――僕はこの2試合を現地で見ることができた。南米選手権(コパ・アメリカ)へ出場して試合を重ねるたびに「歴史的」と付ける必要はない。
 
 ただ朝、目が覚めると、疲れて付けっ放しにしてしまったテレビから流れるウルグアイ戦のブラジル人の実況と解説者の声が、日本の勝点獲得をそう言って讃えているのだった。
 
 ウルグアイは僕がいま住んでいるサンパウロから来るよりもポルト・アレグレに近い位置にある。偶然にもホテルはウルグアイ代表が選んだホテルと同じであり、試合前は選手を出待ちするサポーターと出くわした。
 
 首都モンテビデオから車で9時間をかけてポルト・アレグレ国境を超えスタジアムへ向かったウルグアイ・サポーターで、アレーナ・ド・グレミオは4万人以上で埋められた。
 
 スタジアムには水色で埋められたウルグアイ・サポーター。今日は僕らウルグアイの「サッカーショー」が見られるかのような余裕の態度。僕ら日本人を見つけると一緒に写真を求めたり挨拶を交わしに来たりする。チリに0-4で負けた日本代表に、まさか我々ウルグアイ代表が負けるわけがないとでも言いたいかのようなサポーターはお祭り騒ぎであった。
 
 ブラジル国内リーグで流れるスタジアムの雰囲気と、コパ・アメリカで流れる雰囲気はまったく違うもので、これが試合後になってもウルグアイの人たちは日本代表を称え、良い試合だったと試合前と同じように記念写真を求めて来た。
 
 ホテルで会うウルグアイの人も「おめでとう!」「日本は良いチームだ!」とエレベーターで声を掛けてくれた。試合前も試合後も変わらないウルグアイ人は紳士であり素晴らしいが、試合前の雰囲気としては「日本にチャンスあり」と思える空気が流れていた。
 
 メンバーを変えて臨んだ2戦目。
日本代表は、軸になる縦の線に、GK川島、CF岡崎のほか、DF植田、MF柴崎の4人を入れた。オリンピックでいうOA枠選手を中心に植田の横に富安、柴崎の相棒に板倉、岡崎の近くに中島(OA)を、とはっきり目の前の試合に集中し、試合を取りにいく布陣で臨んだ。
 
 5人のOAを使うのは仮想オリンピックにならない、などと言っている訳にはいかない。目の前の勝利にこだわる。今日、戦える選手を選択したと考えられる。
 
 そして0-4で敗戦した直後の試合は誰が走れるか? 誰が戦えるか? 充実したメンタルでそれをパフォーマンスに変えられるのは誰なのか?
 
 川島、岡崎この2人の先発は、間違いなく周りに自信と勇気を与えたのであろう。初戦に出場機会がなかった、右サイドバックの岩田もボランチに入った板倉も、課題もあるが良いパフォーマンスに繋がった。
 

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