老獪なウルグアイを苦しめた若き日本代表。ドローの立役者はふたりのベテラン!【蹴球日本を考える】

2019年06月22日 熊崎敬

反省材料は少なくないが、それでも日本は次につながる勝点1を手にした

ウルグアイ戦で輝きを放ったふたりのベテラン、岡崎(18番)と川島(1番)。若手の刺激にもなったはずだ。(C)Getty Images=岡崎/(C)SOCCER DIGEST

[コパ・アメリカ グループリーグ第2戦]日本2-2ウルグアイ/6月20日/アレーナ・ド・グレミオ
 
 チリ戦の完敗から3日後、若い日本がいい意味で予想を裏切ってくれた。
 
 見せ場をたくさん作りながら、次々と失点を重ねたチリ戦は、日本の若さが露呈した一戦だった。このウルグアイ戦も、全力でぶつかって清々しく散るのかと思ったら、そうではなかった。日本の選手たちは攻守のバランスを保ちながら慎重に試合を進め、勝点1という果実を手にした。
 
 2度のリードを守り切れなかったことは悔やまれるが、そのことを責める気にはなれない。
 というのもVARによるPKを含めて、判定がかなりウルグアイ寄りだったからだ。カバーニやスアレスが倒れるたびに、審判は気前よくウルグアイにFKを与えた。選手たちは、よく我慢してプレーしたと思う。
 
 引き分けの立役者はふたりのベテラン、川島と岡崎だ。
 前者は序盤から決定機を立て続けに阻んでチームに落ち着きをもたらし、後者は最前線の厳しいところでしっかりとボールを収めて攻撃にリズムを作り出した。
 とくに岡崎は周りが非常に見えていて、2、3人に囲まれても慌てず局面を解決しようとしていた。泥くさいストライカーから年齢を重ねて、またひとつ新たなカラーを手に入れた印象がある。
 
 もちろん、課題がないわけではない。
 攻撃の切り札として期待される中島は、球離れが遅く、ボールを持つたびにつぶされた。チリ戦もそうだったが、序盤にいいプレーをすると、このレベルの相手は確実につぶしに来る。そこをどう乗り越えるか。3戦目に課題が持ち越された。
 
 もうひとつ、森保監督は83分に満を持して久保を投入したが、ほとんどボールに触る機会がなかった。押し込まれた状況はまったく変わらず、つまりはチームを助ける交代とはならなかった。
 流れを変える交代、これもまだ2試合を通じて見られない。
 
 反省材料は少なくないが、それでも日本は次につながる勝点1を手にした。
 せっかく参加したコパ・アメリカ、3試合で終わるのと4試合目に進むのとでは得るものは大きく違う。
 王者チリとの初戦で若さを露呈した日本は、2試合目で老獪なウルグアイを苦しめた。若いチームが厳しい大会の中で成長するのを見るのは楽しいものだ。
 4試合目がかかったエクアドル戦、日本はどれだけしたたかな戦いを見せてくれるだろうか。
 
取材・文●熊崎 敬(スポーツライター)
 
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