戦前の下馬評を覆し、強敵ウルグアイと善戦を演じた日本代表へ南米メディアから賛辞が相次いでいる。

　現地時間６月20日に行なわれたコパ・アメリカのグループC第２節で、ウルグアイと対戦した日本は、三好康児の２ゴールで２度のリードを奪う好ゲームを演じたものの、追いつかれて２-２のドローで終わった。

　結果は勝点１を拾うに終わったが、激しいフォアチェックを仕掛け、フィジカル勝負に出たウルグアイの猛攻に耐えた日本のパフォーマンスには各国メディアからも驚嘆の声が上がっている。

「４つのゴールが生まれた日本とウルグアイの一戦は、このコパ・アメリカにおいて最も良い試合となった」と褒めちぎったのは、南米でも指折りの知名度を誇るアルゼンチンの有力紙『Ole』だ。同紙は、マッチサマリー内で以下のようにサムライ戦士たちの踏ん張りを称えた。

「"ガンバル"とは、『しっかりとしている』という意味の日本語で、しつこく、最後まで一生懸命に働くことを指す言葉だ。そして、ウルグアイに対する日本を説明するために理想的な言葉でもある。この夜、とにかく奮闘したアジアの島国は、機械化されたウルグアイに真っ向から立ち向かった」

　日本は、66分にホセ・マリア・ヒメネスにCKから同点弾をねじ込まれてからの約30分間、攻勢を強めたウルグアイを前に防戦一方となった。だが、局面での肉弾戦を厭わず粘り強い戦いを演じ、決勝点だけは許さなかった。

　そんな森保ジャパンのプレーに『Ole』は、いたく感動したようである。このコパ・アメリカでグループBの最下位に沈んでいる母国代表を皮肉りながら、こう評した。

「コパ・アメリカの"ゲスト"は鋭く効果的だった。押し込まれながらも、シンプルに相手ゴールを狙い続け、尽きることのない忍耐力で応戦した（アルゼンチンとは無縁だ）。ウルグアイ人たちもそれに屈するしかなった」

　ただ、同紙は最終的に主導権を握ったウルグアイの巧者ぶりも讃えている。

「引き分けたとはいえ、彼らはまだグループ首位にいる。良いゴールを決めていたことを考えれば、おそらくチリとの最終節で、準々決勝進出を決めるだろう。今の彼らが見せる"ガンバル"、粘り強さ、そして自尊心は、夢のタイトル獲得を可能にするはずだ」

　ウルグアイを相手にハイパフォーマンスを見せた日本の戦いぶりは、南米のサッカー・ファンやメディアをあっという間に虜にしてしまったようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部