“完全アウェー”のチリ戦でも安部裕葵が圧倒されなかったワケ。活きた鹿島での経験【コパ・アメリカ】

2019年06月19日 本田健介(サッカーダイジェスト)

自らの役割も認識

ポルトアレグレでトレーニングを行なった日本代表。安部は軽快な動きを見せた。(C)SOCCER DIGEST

 コパ・アメリカの初戦でチリに0-4で敗れた日本は、6月18日、次戦のウルグアイ戦が行なわれるポルトアレグレでトレーニングを行なった。
 
 チリ戦に先発したメンバーはランニングやストレッチなど軽いメニューを消化した一方、ベンチスタートとなった選手たちは、ミニゲームなどで汗を流した。そのなかで軽快な動きを見せたのが20歳の安部裕葵だ。
 
 安部はチリ戦で66分に前田大然に代わってA代表デビュー。すると直後には左サイドから上田綺世に決定的なクロスを送り、後半アディショナルタイムにも鋭い突破を披露。まずまずのパフォーマンスを示した。
 
 ゲームが行なわれたエスタジオ・ド・モルンビーには、多くのチリサポーターが駆け付け、南米特有の雰囲気と重なり、日本にとってはアウェーという印象が強く感じられたが、安部は特に気にしていなかったという。それは所属する鹿島での経験があったからだと話す。
 
「(昨年の)ACLの決勝のイラン(ペルセポリスとのゲーム)を経験しているので、あれを越えることはないです。(開催国の)ブラジルを相手に戦ったら、同様の感覚になるかもしれませんが、あの経験があったからこそ、アウェーは基本的に気にしていません」
 
 だからこそ次のウルグアイ戦にも強気なメンタルで臨めるようだ。さらに自らの役割もしっかり認識している。
 
「個で勝てないようであれば、日本でよくいう団結力やチームの共通理解で上回らないといけませんが、チリ戦はそれがなかなかできなかったと思います。僕らの前線には個に優れた選手が一杯いますが、それを活かすのは周囲の力。個が出しやすいようにサポートが必要です。
 
 どんな選手でもひとりでゴールまでいけるわけではない。メッシでもひとりでは無理です。そこは周りがいるからこそ。そして90分を通して駆け引きをしているからこそです。そういう役目は自分ではできると思っているので、続けてやっていきたいです」
 
 ウルグアイ戦は中2日で臨むだけに、少なくないメンバーの入れ替えが予想される。安部にもチャンスは回ってくるはずだ。
 
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
 
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