久保建英が加入するマドリーの「カスティージャ」ってどんなチーム? 毎シーズン半数が入れ替わる熾烈な競争が…

2019年06月15日 下村正幸

コパ・デル・レイで準優勝に輝いたことも

マドリー加入が決定した久保。まずはBチームでの定位置確保が目標となる。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 久保建英の加入が決定したカスティージャは、レアル・マドリーのBチームだ。ここを登竜門にトップリーグで活躍した選手は枚挙に暇がない。

 現在のトップチームで言えば、ダニエル・カルバハル、ナチョ、ルーカス・バルケス、カゼミーロ、フェデリコ・バルベルデらがそうだが、ライバルのバルセロナと大きく異なるのは、トップチームで出番を得られずに、出場機会を求めて移籍した新天地で活躍した選手が多い点。近年では、今夏の移籍市場で人気銘柄となっているパブロ・サラビアがその代表格で、バレンシアのキャプテンを務めるダニエル・パレホもそうだ。

 実力的にもここ20年ほど実質3部に相当する2部Bがすっかり主戦場になってしまったとはいえ、歴史を紐解けば、1979-80シーズンにコパ・デル・レイで準優勝に輝くなど、過去には1部のレベルに決して遜色しないチームを結成したことも一度やニ度ではない。

 
 今回の久保の獲得でも明らかになったように、近年は、急速な国際化が進み、それこそ世界中の「金の卵」が集結している。それだけ競争は熾烈そのもので、しかも毎年のようにメンバーが半数近く入れ替わる。チームを出て行く選手の中には、レガネスのオスカル・ロドリゲスのように1部のチームにレンタル修行に出されるケースと、失格の烙印を押されて退団を余儀なくされるケースの2通りがある。

 もちろん、チームの方針は育成が最優先で、19歳から21歳の選手が大半を占める。経験を加味するため、23、24歳の選手も在籍するが、わずかだけだ。

 2部Bで対戦する相手チームには、トップリーグの選手になる夢を叶えられなかったとはいえ、駆け引きに富んだ手練のベテランがゴロゴロいる。そのため、試合では経験不足結果に響くこともある。ホームの第1レグで先勝(3-1)しながら、第2レグで0-2と敗れ、アウェーゴールの差で2部昇格を逃したカルタヘーナとのプレーオフは、まさにその典型的なゲームだった。ただ、クラブはその結果を必ずしも問題視していない。
 

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