「自分に何が残ったのか」「引きこもりたくなる…」元アーセナルのエブエ、自殺願望や抗うつ薬服用を告白

2019年06月12日 サッカーダイジェストWeb編集部

2度のワールドカップに出た元コートジボワール代表戦士も…

自身が抗うつ薬を服用していることを明かしたエブエは、プロフットボーラーでいることの心労を吐露した。 (C) Getty Images

 一見、華やかな世界に見えるサッカー界で活躍した人物でも、一生の安泰が約束されているわけではない。

 かつてアーセナルで活躍した元コートジボワール代表のエマニュエル・エブエは、2016年3月にサンダーランドから短期契約を解消された。代理人への支払い問題で、国際サッカー連盟(FIFA)から1年間の活動停止処分を科されたからだ。

 エブエはコートジボワール代表で79キャップを記録し、ワールドカップにも2度出場している。クラブでもアーセン・ヴェンゲルに重宝されたアーセナル時代の活躍に加え、トルコの強豪ガラタサライではシュペルリギ3連覇にも貢献した。

 だが、処分を科され、エブエのサッカー人生は一変した。英公共放送『BBC』によると、フランスのラジオ局『RMC Sport』の番組に出演した元コートジボワール代表DFは、「1年もピッチから離れたのは辛かった」と振り返っている。

「自分で練習しなければならず、人の自分への見方が変わって、本当に恥ずかしくなった。朝練習が好きだったけど、写真を撮られて(SNSで)拡散された……。だから夜に練習するようになった」
 
 さらに、エブエは、「日中に練習できず、家にいるのも恥ずかしかった。子どもたちからピッチに戻るのはいつか問われるようになり、朝、仕事に出かけるフリをするようになった」と続けた。

「子どもたちに知られないように外にいて、寝てから帰宅するようにしていた。テレビで自分がプレーするところを見られない理由を、子どもたちに聞かれたくなかったんだ」

 結局、プライベートでも離婚問題を抱え、金銭的にも苦境に陥ったエブエは、「4日間ぐらい部屋に引きこもりたくなることがある。『自分に何が残った?』と自問してね……」と述べ、自殺を望んだほどだったと話している。

「今でも、自分は抗うつ薬を飲んでいる。自分にはまだ長い道のりが残っているからだ。でも、このことからみんなが学んでほしいと思ってここ(番組)に来た」

 はたして、今月4日に36歳になったエブエはこれから、どのような人生を歩むことになるのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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