【日本代表】まるでイニエスタのようなスター性。久保のデビューで巻き起こった“興奮の渦”

2019年06月10日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

“スター”と呼ぶべきタレントは、そうはお目にかかれない

ついにA代表デビューを飾った久保。極上のテクニックの数々で観衆を沸かせた。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[キリンチャレンジカップ]日本2-0エルサルバドル/6月9日/ひとめぼれスタジアム宮城

 日本代表がエルサルバドルを2-0で下したキリンチャレンジカップで、スタジアムが沸きに沸いたのは、65分過ぎ。ピッチサイドでアップをしていた久保建英が交代を命じられ、ベンチへと早足で向かっていく。

 ビブスを脱ぎだすと、会場からは「オオー!!」という声が上がる。そして67分、大注目の18歳がピッチに立った瞬間、ボルテージは一気に上がった。

 ついにA代表のピッチに立った久保は圧巻だった。デビュー戦でもまったく物怖じすることなく、持ち前のテクニックを何度も披露し、空気を一変させるどころかこの日、観戦に来ていた3万8092人の視線をくぎ付けにするのだ。

 とりわけ観衆の度肝を抜いたのは72分のプレーだろう。右サイドを抜け出して大迫勇也からのパスを受けると、相手ふたりを手玉に取り、痛烈なミドルシュートを放った場面だ。惜しくもボールはGKの正面に飛びストップされたものの、対面したふたりの間をサラリとかわしたドリブルには、技術の高さと非凡なセンスを感じさせた。

 ひとたびボールを持てば、予想を上回るプレーで魅了する――そんな"スター"と呼ぶべきタレントは、そうはお目にかかれない。

 同じようにスタンドから大歓声を集めていた試合で思い起こされるのは、最近で言えば昨年の7月22日。その年の夏にヴィッセル神戸に加入した元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタが、ノエビアスタジアム神戸でJリーグデビューを果たした時だ。

 その試合でのイニエスタも存在感は別格で、ボールを持つたびに、ほぼ満員に埋まっていたスタンドから、どよめきが起こっていた。どんなプレーを見せてくれるのか、という胸が弾む思いをその日集まった約2万7000人が感じていただろう。

 そんな期待感をこの日の久保は抱かせていた。

 もちろん実績を考えれば、ワールドクラスのイニエスタと比較するのは、あまりに早計かもしれない。しかし、日本国内での注目度では、いまや同じか、それ以上だろう。今年ついに覚醒した日本のニュースターは、コパ・アメリカでも目の肥えた南米のサッカーファンを熱狂させるに違いない。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)

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