【エルサルバドル|戦評】「3-4-2-1の深化」「永井の2ゴール」「久保のデビュー」スコア以上の“収穫”が得られる一戦に

2019年06月10日 本田健介(サッカーダイジェスト)

ウイングバックに伊東と原口を起用

エルサルバドル戦でも3-4-2-1をテスト。永井の2ゴールで勝利した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[キリンチャレンジカップ2019]日本 2-0 エルサルバドル/6月9日/ひとめぼれスタジアム宮城
 
 FIFAランキング71位のエルサルバドルが相手だったという注意書きは必要だろう(日本はFIFAランキング26位)。
 
 それでも日本にとって、良いテストマッチになったと言えるのではないか。
 
 トリニダード・トバゴ戦から4日、森保一監督は、2試合続けて3-4-2-1を採用(後半途中からは4-4-2に変更)。GKはシュミット・ダニエル、3バックは左から畠中槙之輔、昌子源、冨安健洋と後方の顔ぶれは変えず。一方、ボランチは橋本拳人と小林祐希のコンビに入れ替え、前線の3枚はシャドーの堂安律は残しつつ、その相棒に南野拓実、CFに永井謙佑を据えた。
 
 そしてこの試合でひとつのポイントになったのが、ウイングバックの人選で、トリニダード・トバゴ戦では右に室屋成、左に長友佑都というバランスの取れる"SBタイプ"のふたりを置いたが、エルサルバドル戦では右に伊東純也、左に原口元気という攻撃に特色のある"ウイングタイプ"のふたりを起用したのだ。
 
 日本は序盤から主導権を握ったが、その要因には前線からのプレスがハマった点が挙げられる。
 
 ボランチの小林は「相手の1ボランチの選手(エルサルバドルは4-1-4-1のシステム)を僕か(ボランチの相棒の橋本)拳人が潰しに行く。そして僕らの後方の選手は3バックの誰かがハメにいく動きは昨日から確認していましたし、だいぶできました。全員が連動してプレスをかけられましたし、最前線の(永井)謙佑くんが守備に行けば、後ろの選手もしっかりついていって上手くハメることができました」と説明。
 
 後方からつないでくるエルサルバドルに対して日本は、前線から追い込みながら中盤でパスカットし、リズムを作っていく。良い守備が良い攻撃につながっていたのだ。
 
 そしてトリニダード・トバゴ戦では、前線の3枚(CF+2シャドー)に、ウイングバックやボランチ、ストッパーが絡む攻撃をなかなか示せなかったが、この日は両ワイドに伊東と原口を配置したことで、厚みのあるアタックを見せた。
 

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