【総体|青森代表】選手権王者が“安定”の県20連覇!「プレミアでも失点しない」堅守で高校三冠へ好発進!!

2019年06月04日 吉田太郎

プレミアEASTではリーグ2番目に少ない4失点、総体予選では5試合無失点

青森山田の新キャプテン、武田英寿がドリブルで持ち上がる。Jクラブも注目する存在だ。

 昨年度の選手権優勝メンバーからMF檀崎竜孔(現札幌)やMFバスケス・バイロン(現いわきFC)ら先発10人が卒業した青森山田は、新主将のMF武田英寿を除くと、顔ぶれが大きく入れ替わった。しかし、その強さは今年も健在だ。プレミアリーグEASTでは4勝2分で首位を快走。インターハイ予選も"安定"の優勝で20年連続となる青森県代表の座を勝ち取った。
 

 主力の大半が卒業し、ディフェンスライン、GKは総入れ替え。今年は厳しい戦いも予想されていたが、北の名門は堂々の戦いを続けている。その要因について黒田剛監督は「プレミアで失点しないようになっている」と守備の安定を挙げていた。プレミアリーグEASTでは6試合でリーグ2番目に少ない4失点。インターハイ予選では全5試合無失点で頂点に立った。
 
 3日に行なわれた青森県予選決勝では試合開始から敵陣での奪い返しを連続してわずか4分間で2得点。その後、攻撃はDF裏に抜ける回数が少なく、停滞してしまったが、守備は終始危なげなかった。
 
 対戦した八戸学院野辺地西は昨年度の選手権予選決勝で青森山田から同点ゴールを奪い、1-2の接戦を演じている相手。ボールを奪うと間髪入れずに最終ラインの背後へ蹴り込み、FK、敵陣でのスローインはすべてゴール前に放り込んできていた。
 
 だが、黒田監督も成長を認めるGK佐藤史騎が「パンチングやキャッチの判断、そういうところは今日良かったかなと思います」と難なく対応。昨秋の対戦で決められている八戸学院野辺地西MF工藤拓人にドリブルでサイドを破られるシーンが2度あったが、いずれもカバーしたCB藤原優大が完璧に止めて決定打を打たせなかった。
 
 黒田監督は「向こうは事故を起こそうとしてきていた。こういうワンタッチで背後を狙ってくる相手には慣れていない」と語る。とは言え、その単調な攻撃にはやられないという自負も。守備の柱として君臨する藤原や佐藤、判断良くインターセプトしていたMF古宿理久やバランス感覚に優れたU-16日本代表MF松木玖生らがほぼ隙を見せずに守りきった。
 
 藤原はシーズン開幕前に「守備は基礎ができてきている。全員が守備意識を持ってやれているので自信はある」とコメントしていたが、その言葉通りの堅守。シュートを打たせなければ失点しないという考えの下、選手に浸透している「ゴールを隠す」、またサイドハーフのプレスバックでクロスを上げさせないなど細部にこだわる青森山田は、インターハイにも優勝候補として臨むことになりそうだ。
 
 黒田監督はディフェンスラインの3年生がやるべきことを徹底していなかったことを指摘し、今後へ向けては「リスタートを磨いていかないと」とプラスアルファを求めていた。浦和が注目する10番MF武田や古宿を中心とした速攻、ポゼッションの質も上げて「目標は三冠。インターハイは一個目のタイトルになるのでしっかりとやっていきたい」(武田)というインターハイタイトル獲得に挑戦する。
 
取材・文●吉田太郎

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