【J2終盤戦のシナリオ|山形編】クラブ史上初の天皇杯4強進出も決め士気は高まる

2014年10月25日 頼野亜唯子

山形県民を巻き込み、昇格気運を作り上げるためにも。

スタメンに返り咲いた川西、山崎、そしてこのディエゴの3トップは、対戦相手にとって間違いなく脅威だ。 (C) Getty Images

モンテディオ山形
成績(37節終了時):6位/勝点55/15勝10分12敗/47得点・36失点
 
残り5節の対戦
 
38節 10/26(日) 対横浜FC(H)13:00 前回対戦●1-2
39節 11/1(土) 対熊本(A)19:00 前回対戦●1-2
40節 11/9(日) 対福岡(H)16:00 前回対戦○1-0
41節 11/15(土) 対磐田(A)14:00 前回対戦●0-1
42節 11/23(日) 対東京V(H)14:00 前回対戦○2-1
 
ポイント1)チームの現状は?
 
 35節まで一度も連勝のない低空飛行のまま、なんとかプレーオフ圏内を窺う位置につけてきたが、36節長崎戦、37節岡山戦と連勝。今季最高の6位に浮上した。クラブ初の天皇杯4強進出を決めた北九州戦の勝利を含めば3連勝で、当然、士気は上がっている。
 
 終盤戦を迎えて踏み切った3-4-3へのシステム変更が奏功し、攻守が噛み合う。それまで控えだった選手にチャンスが与えられるという副産物も生む結果となり、ラストスパートに向けて理想的なチーム状態だと言える。
 
ポイント2)昇格へのシナリオは?
 
 自動昇格の2位にはすでに手が届かない。目標はプレーオフをホームで開催できる4位以内だ。残り5試合で3位磐田とは勝点8差、4位北九州とは同6差。逆転は不可能ではないが、決して簡単でもない。J1ライセンスを持たない北九州が3位または4位になった場合、ホーム開催権は5位に与えられるが、下との勝点差も詰まっており、いずれにしても3勝2分け以上の結果が欲しい。
 
ポイント3)終盤戦のキープレーヤーは?
川西翔太
 長らく出番を失っていたが、32節京都戦でスタメンに返り咲くと、以降の5試合で4得点と決定的な仕事を連発。天皇杯の準々決勝でも決勝ゴールをマークした、文字通りのラッキーボーイだ。試合ごとに熟成度を増すディエゴ、山﨑との3トップは、対戦相手にとって間違いなく脅威だ。
 
伊東俊
 ゲーム終盤に活力を注入するスーパーサブがついに誕生した。コンディションに波がありコンスタントに出場できずにいたが、ここ数試合、意外性に溢れるプレーで局面を打開している。限られた時間のなかで仕事ができる、まさしく切り札だ。
 
ポイント4)累積警告や負傷者などの懸念材料は?
 
 西河の負傷、イ・ジュヨンのU-23韓国代表招集による"CBの危機"はシステム変更で乗り越えた。目下の気掛かりは、イエロー3枚の宮坂に出場停止のリーチがかかっていること。ここまでチームで唯一全試合に出場している攻守の要であり、セットプレーのキッカーとしても不可欠。左のキッカー石川が負傷で戦列を離れていることもあり、宮阪まで失いたくはないのだが……。
 
ポイント5)残り5試合で鍵を握りそうな対戦相手は?
38節・横浜FC(H)、41節・磐田(A)
 
 今季初連勝という波を大きなうねりにするために、ホームで戦う次節の横浜FC戦には是が非でも勝ちたい。ホームゲームの入場者数は、突出した磐田戦(1万2030人)を除けば4000人台から6000人台。最後の最後までなかなか熱くならないと言われる山形県民をその気にさせ、昇格への機運を作り上げる意味でも重要な試合だ。
 
 41節の磐田戦は言わずもがな。前回の対戦では、0-1ながら力の差を見せつけられたが、今のチーム状況なら自信を持って戦える。勝って最終節まで走り切りたい。
 
文:頼野亜唯子
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