宮本ガンバが20歳食野の鮮烈弾で先制も勝ち切れず! 鹿島との好勝負は痛み分けドローに

2019年06月01日 サッカーダイジェストWeb編集部

終盤はともに切り札を投じて勝負に出たが

手痛い引き分けも、G大阪の収穫は食野(左から2人目)の活躍。先発起用の期待に応え、鮮やかなミドルを蹴り込んだ。(C)J.LEAGUE PHOTOS

[J1リーグ第13節]G大阪 1-1 鹿島/6月1日/パナスタ

 攻守両面で歯車ががっちり噛み合い、立ち上がりから勢いに乗ったのがホームのガンバ大阪だ。

 宮本監督は調子の上がらないファン・ウィジョに代えて食野を先発に指名。今季J3で8ゴールを決めている得点王の決定力に託した。すると13分、20歳のアタッカーがさっそく結果を叩き出す。

 右サイドで小野瀬が粘り、中央へクロス。そのこぼれ球をアデミウソンが収めて、優しいパスを食野に渡すと、ゴール正面20メートルの位置から狙い澄ましたショットをねじ込んだ。一目散にベンチの指揮官の元へ駆け寄り、熱い抱擁を交わした。

 怪我の影響でレオ・シルバが欠場し、急きょ永木をボランチに配備した鹿島アントラーズは、G大阪の激しいプレッシャーに晒されてなかなかリズムを掴めない。主に白崎、安西が陣取る左サイドで形を作り、そこにセルジーニョが絡んで好機を窺うも、対するG大阪の高尾、小野瀬が身体を張った対応で自由にさせなかった。

 それでも、掴んだチャンスを確実にモノにするのだから、さすがはアジア王者だ。43分、鹿島はついに左サイドを打破した安西が、横パスを送る。これを受けた土居が鮮やかなタッチでマーカーを交わして前方へ持ち出し、強烈な右足ショットを蹴り込んだ。沈滞ムードを一気に払拭してみせた。

 
 後半頭から主導権を握ったのは鹿島。G大阪の素早いパスワークとオフ・ザ・ボールの動きをしっかり見極め、的確な守備ブロックを形成し、全体のラインを一気に押し上げていく。中盤をコンパクトに保って効果的なショートカウンターを繰り出し、敵に揺さぶりをかけた。

 とはいえ、G大阪は自陣エリア内で辛抱強く対応し、ビッグチャンスは与えない。後半半ば以降はふたたび盛り返し、食野、アデミウソンのタメを軸に攻撃を構築。62分には食野が決定的なシュートを放ったが、惜しくもゴール左に外れた。

 ともにピッチに立った全員がハードワークを惜しまず、一進一退の駆け引きを展開した一戦。鹿島は65分に日本代表MF安部を投じて攻撃のテンポを上げれば、G大阪も76分に満を持してファン・ウィジョを送り込んで前線に活力を与える。互いに積極果敢に攻め合ったが……。

 試合は両者一歩も譲らず、1-1のままタイムアップ。1ポイントを得たG大阪はかろうじて15位に浮上し、降格圏転落を回避している。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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