「世界の終わりだと思った…」 トッテナムの守護神ロリスが劇的な幕切れとなったシティ戦を回想

2019年05月30日 サッカーダイジェストWeb編集部

ムサ・シソコは最後までゴールが取り消されたことに気付かず

その表情が物語るように痛恨の失点を喫したロリスは、「終わったと思った」という。 (C) Getty Images

 来る6月1日のチャンピオンズ・リーグ(CL)決勝で、トッテナムはリバプールとクラブ史上初のビッグイヤー獲得を競う。

 振り返れば、今シーズンのCLにおけるトッテナムはグループステージから苦しんだ。開幕から3試合で勝点1しかあげられずに敗退確実とも言われた。

『ESPN』のインタビューで、守護神ユーゴ・ロリスは、PSVとドローに終わったグループ第3節終了時に「ひどい気分だった」と振り返っている。

 2連勝と挽回して迎えたグループステージ最終節でも、トッテナムは敵地でバルセロナと1-1のドローに終わった。だが、決勝トーナメント進出を争っていたインテルが、ホームでPSVとまさかの引き分け。このおかげで、トッテナムはベスト16に駒を進めた。

 ドルトムントとのラウンド・オブ・16を制して迎えた準々決勝は、相手は優勝を目指すジョゼップ・グアルディオラ率いるマンチェスター・シティだった。第1レグを1-0と制したトッテナムは、敵地での第2レグで3-4と敗れたものの、アウェーゴールの差でベスト4進出を果たした。

 このシティ戦のドラマチックな展開は記憶に新しい。
 
 後半アディショナルタイム4分にラヒーム・スターリングがネットを揺らし、シティが劇的な逆転突破を決めたと思われた。だが、ビデオアシスタントレフェリーの介入でオフサイドが判明。得点が取り消され、トッテナムは生還したのである。

 この時の心情を回想したロリスは、「(スターリングがネットを揺らして)10~15秒は世界が終わったみたいだった。僕ら全員が倒れこんでしまっていた。それから主審が得点を取り消したんだ。信じられなかった」と語っている。

「僕ら全員が打ちひしがれていたんだけど、主審からオフサイドかもしれないからゴールをチェックすると言われた。ベルナルド・シウバが得点を喜んでいなかったことを覚えている。彼はオフサイドだと分かっていたんだ」

「面白かったよ。僕たちは、まるでゴールが決まったかのように、ゴールの取り消しを喜んだ。その時のベンチやファン、チームメートたちのことを覚えている」

 ロリスによれば、ムサ・シソコは、しばらくスターリングの得点が取り消されたことに気づいていなかったそうだ。フランス代表の同僚MFは、ロッカールームで落ち込んでいたが、スタッフから知らされ、あわててピッチに戻っていったという。ロリスは「今でも思い出すと笑えるよ」と述べた。

 そして、トッテナムはアヤックスとの準決勝でも、終了間際のルーカスの決勝点で劇的なゲームを演じ、ファイナルに駒を進めた。

 ミラクルなシーズンを戦ってきたトッテナムを待つ結末は、どのようなものなのか。注目のファイナルまで、もう間もなくだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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