【浦和】「危機感を持っていますか?」大槻監督が会見で明かした“選手への第一声”

2019年05月29日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

「クラブの目標は変わらない。それに対して我々はどう取り組むのか」

会見に臨んだ大槻監督。その手腕に期待が懸かる。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 オズワルド・オリヴェイラ監督との契約解除と大槻毅監督の就任を発表した浦和レッズが5月29日、記者会見を行なった。

 昨年の5月に着任したオリヴェイラ監督の下、今季は開幕前に「J1&ACLの二冠」を掲げていた浦和だったが、なかなか結果を出せずに低迷。ACLでは最終節までもつれ込んだグループリーグの難局を乗り越えてラウンド16に進出した一方で、J1リーグでは13節終了時点で5勝2分6敗の11位と、優勝争いから大きく後れを取っている。
 
 中村修三ゼネラルマネージャーは「昨年天皇杯を優勝させてアジアの舞台に戻してくれたオリヴェイラ監督には感謝しかない。ただリーグ戦では勝ったり負けたりが続いて、ホームでは内容を見ても悪い試合が続いていた。ホームの結果は重く受け止めている」ことや「世代交代が思うように進まなかった」と、契約解除に至った理由を説明している。

 また次の人選については「大槻しか考えていなかった」と明かした。「分析力が優れていて、それをフィールドで表現してくれる」手腕と育成ダイレクターとユースの監督を歴任していた経験を買ったという。
 
 大槻監督は2018年4月にも暫定的にトップチームを率いている。当時は開幕からリーグで2分3敗と白星がなかったチームを立て直し、3勝1分と好成績を残した。
 
 再び復権を託された大槻新監督は、就任要請を受けて「自分のことよりもクラブが大変だということのほうが大きかった。いろんな人たちが悔しい想いをしていて、僕が少しでも力になれるのであれば、そこに自分の力を出してみたい、仕事をしてみたいという気持ちになった」と受諾に至るまでの想いを明かす。
 
 さらに「責任があり、いろんな人から支持されているクラブだと思っています。その人たちを、サッカーの質とかスタイルで満足させることがなかなかできないですが、しっかりゲームに向かう姿勢やトレーニングを通じて、チームのために、クラブのために、サポーターのために、と示すチームにしたいと思います」と意気込んでいる。
 
 初日の練習では「こうなっていることを我々は認識しなければいけない。危機感を持っていますか? 危機感を持たざるを得ませんよね。だけど、それで心がざわついてはいけない。いろんな想いがあるのは十分に分かるけど、そのなかでも落ち着いて次の準備をしようと、中に秘めている想いをきちんと表現してください」と選手たちに伝えたという。さらに「クラブの目標は変わらない。それに対して我々はどう取り組むのか」とモチベーションを高めた。

 果たして浦和は自信と誇りを取り戻し、復活できるか。新監督の手腕に期待したい。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)
 
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