清水の規格外助っ人、ドウグラスが完全復活!! 桁外れの強烈ヘッドが戻ってきた!

2019年05月29日 前島芳雄

開幕前に不整脈の症状が現われブラジルに一時帰国。3月中旬に合流したが…

仙台戦で豪快なヘディングシュートを決めたドウグラス。(C) J.LEAGUE PHOTOS

「今季は病気で出遅れましたが、そのときにチームメイトやサポーターの皆さんがすごくサポートしてくれました。その人たちのために、すべての試合を戦っていきたいですし、みんなで一緒に戦っているということを示したかったんです」
 
 13節の仙台との激しい打ち合いに決着をつける89分の決勝ゴールを決めた後、左手で目にピースサインをあて、右手はスタンドを指差す新たなポーズを見せたドウグラス。その意味を問われた時に語ったのが冒頭の言葉だった。(ちなみに左手は、1人娘が写真を撮られるときのポーズを真似たもの)

 
 本人の言葉通り、今季のドウグラスは1月に不整脈の症状が現われてブラジルに一時帰国するなど身体を動かせない期間が続き、ようやくチーム練習に合流できたのが3月中旬。彼の復帰を急がせたいヤン・ヨンソン監督(当時)が初出場させたのが3月31日の湘南戦(リーグ5節)だったが、本来の動きやパフォーマンスにはほど遠い状態だった。
 
 今季は「トップ5」という目標を掲げて始動した清水が大きく低迷し、監督交代に至った原因のひとつとして、ドウグラスの離脱が非常に大きかったことは間違いない。昨年7月に加入してから15試合で11ゴールを決めた最強助っ人は、昨季終盤の7戦無敗や5年ぶりのトップ10入り(8位)の原動力になっていたからだ。
 
 4月のドウグラスも、リーグ戦では4試合に出場したが、すべて交代出場でプレー時間は30分以内。ルヴァンカップでは1試合に先発して71分に交代。どちらの舞台でも精彩を欠き、ゴールも決められなかった。
 
 ようやく今季初ゴールが決まったのが、5月に入ったルヴァンカップ5節(5月8日)のG大阪戦。左足の直接FKで決めた一発だった。リーグ戦では同3日の鹿島戦に初先発し、次の川崎戦は初のフル出場。着々とコンディションを上げてきた中で、前節の大分戦ではPKでリーグ戦初ゴール。ただ、ヘディングでのチャンスが3回あったが、どれも枠を外れ、流れの中でのゴールはなし。とくに、ヘディングの抑えが効かず上に外れるシーンが2回あったのは、まだ本調子ではないことの表われだった。
 

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