【横浜】悔しければ悔しいほど――コパ・アメリカ落選の遠藤渓太の偽らざる心境

2019年05月28日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「それが結局、オリンピックにつながると思う」

横浜の不動の左ウイングとして奮闘を続ける遠藤。コパ・アメリカ落選の悔しさも原動力に、さらなる成長を誓う。(C)SOCCER DIGEST

 6月14日からブラジルで開催されるコパ・アメリカに、日本代表は招待国として出場する。そのメンバー発表があった当日、編集部の後輩で東京五輪担当からLINEが届く。
 
『トゥーロンに引っ掛からなかったので、期待してましたが。残念』
 
 来年の東京五輪に挑むU-22代表は、同1日から始まるフランスでのトゥーロン国際大会に参戦する。そのメンバーリストにも、横浜F・マリノスの遠藤渓太の名前はなかった。
 
 コパ・アメリカを戦う森保ジャパンは、以前から噂されていたとおり、東京五輪世代中心の編成となった。U-22代表の常連でもある遠藤は有力な候補者のひとりで、"A代表初選出"が期待されたが、残念ながら選外に。つい先日、連れ立って遠藤のインタビュー取材でじっくりと話しを聞いていた後輩は、ことのほか残念がった。
 
「若い世代が入るみたいな、いろんな話を聞いていました。選ばれなかったのは、もちろん悔しいです。でも、なんていうのかな……ブラジルに行く人たちが活躍すれば、もっと悔しいと思う。だから、みんなには活躍してほしい」
 
 日本代表の躍進を、同世代の仲間たちの活躍を、遠藤は楽しみにしている。それを見て、妬んだり、ひがんだりはしない。悔しさは、自身の成長の糧になることを知っているからだ。
 
 目の前の現実をポジティブに受け止めて、前を向く。自らに言い聞かせるように「その悔しさが自分の力になれば一番いい」と話した後、「まあ、本当に……もちろん、悔しいですけどね」と少しだけ声のトーンを落として、言葉を絞り出す姿が印象的だった。
 
 横浜からは、同じ97年生まれの三好康児が選ばれた。A代表初選出だ。気心の知れた仲の良いチームメイトに先を越されたが、自分はこれまでと変わらず、まずはクラブで結果を残すことに努め、アピールするだけだ。
 
「しっかりやれている選手が選ばれる環境にあるから、見ている人は見てくれていると思う。(代表に)選ばれなかったぶん、マリノスで出られる試合が増えましたし」
 
 遠藤は「悔しさを力に変えて」と繰り返す。「それが結局、オリンピックにつながると思う」から。目先の事象にとらわれず、掲げた目標を見失わず、そこに至るプロセスを一つひとつ、しっかりと踏みしめながら、着実にステップアップを遂げていく。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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